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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-

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Kazuhiro Iida

なし Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/3/7 17:48 | 最終変更
Kazuhiro Iida  管理人   投稿数: 68
【貯蔵システム】

最近自分がメタボになって来たこともあり、最初は「貯蔵システム」から。(各システムの名前は仮につけたものです、後でもっと適切な名前が見つかると思っています)

生身の人間では主に骨格(Ca)、肝臓、筋肉、脂肪組織が担っている機能に注目します。(周辺の環境も含めると人間は干物を作ったり冷蔵庫を使ったりして体外にも貯蔵しています。)
大腸菌では、グリコーゲン顆粒、ポリリン酸顆粒、脂質膜に注目します。(周辺の環境も含めると、大腸菌は細胞壁(これは細胞外物質)のペプチドグリカンをリサイクルしています。)


これらの組織の働きがブロック図モデルで比較してシステム相同なの?という話を次のような順序で進めます。

(1)比較の前提を確認する: 大腸菌を1個のブラックボックス、人間を1個のブラックボックスと見なす時、ブラックスボックスへの入力、出力を何とするか。ブラックボックスの特徴とすべき、入力と出力の関係は何か。

(2)要素システム(群)を確認する: そのブラックボックスの要素システムを何とするか。個々の要素システムの入出力を何とするか、要素システムの特徴とすべき、入力と出力の関係は何か。

(3)要素システム(群)の構成を確認する: 最初のブラックボックスの入力、出力、特徴とマッチする要素システムの接続関係(グラフ)はどんなか。

(4)比較: 接続関係のグラフは同じ(isomorphic)か? 最初のブラックボックスの挙動が、各要素システムの挙動でみても同じか。



(貯蔵システム)

(1)比較の前提

大腸菌を1個のブラックボックス(BBと略すことにします)、人間(成人)も1個のブラックボックス(BB)とします。
各ブラックボックスへの入力はざっくり炭水化物、脂肪、タンパク質、Na,K,Ca,Fe,Mgなどの無機化合物、そしてそれらに付随する自由エネルギーです。
各ブラックボックスからのシステムはざっくり、利用されなかった分の入力と、低分子有機化合物(尿素、尿酸、馬尿酸等)、低分子無機化合物(水、二酸化炭素、アンモニア等)先の無機化合物の塩、それらに不随する自由エネルギー、そして熱です。
これらの入出力を、大腸菌のBBでも人間のBBでも同じと見なします。

人間のBBを見ると、食事を一回抜いても、急激に痩せたり、体温が低下したり、動けなくなったりしないけれども、何日間も全く食べないでいると肉がそげて、体温が低下して、動けなくなってしまうことからわかるように、
力の変動に対して出力の変動が低く抑えられるような関係があります。入力の高い周波数(毎日の食事頻度程度)の変動はキャンセルされ、低い周波数(何日間にもわたって食べないでいる)の変動が出力に反映される性質ですから、
人間のBBはざっくりローパスフィルタ(低い周波数成分だけを通すフィルタ)としての性質があると言えます(痩せようとして、ジョギングで汗をかくとか積極的な行動は省いています)。

大腸菌のBBも、同様にローパスフィルタとしての性質があるようです。大腸菌は長さで比べて人間のBBの100万分の1のサイズですので、入出力の変動も人間のBBより高い周波数で見る必要があるでしょう。実験をしたことはありませんが、大腸菌の培地から例えば1秒間だけグルコースなどの栄養を除去したとしてもその間、大腸菌の鞭毛運動や分裂が停止し、その後死んでしまうといったことは無いでしょう(経験的に)。培地を無栄養にして何週間もそのままにすると、しかし分裂が停止して(大腸菌は芽胞をつくれませんが)休眠状態(VNC菌)になります。
(大腸菌は、栄養があると盛んに分裂しますから、分裂した相手も出力と見たいところですが、まずは分裂後から次ぎの分裂までの1サイクルの間~概ね30分~に注目することにします。)

BB本体の特徴としては、このローパスフィルタとしての性質を人間のBBでも大腸菌のBBでも同じと見なします。

(つづく)

飯田一浩

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