単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/3/11 22:35)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/3/13 22:54)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/3/14 22:23)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/4/2 17:24)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/4/2 21:33)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/4/4 22:38)
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Re: 単細胞生物と多細胞生物 -システム相同か?- (Multicellular organism and Unicelluar organism -Homologous systems?-
(Kazuhiro Iida, 2012/4/12 21:36)
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
またまた余談ですが、このグルコースとグリコーゲンの関係、会計でいう流動性資産(短いサイクルで回る資産)、固定資産(より長いサイクルで回る資産)の関係に似てますね。
さらにATPを含めるとATPは、まさに資本(お金)に対応します。
「エネルギー通貨」というATPの別名は、その汎用性に由来すると思います。名付けた人は、ユーモアセンスありますね。
会計学は社会の生理学、かもしれない。
さらにATPを含めるとATPは、まさに資本(お金)に対応します。
「エネルギー通貨」というATPの別名は、その汎用性に由来すると思います。名付けた人は、ユーモアセンスありますね。
会計学は社会の生理学、かもしれない。
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
長ったらしい議論になりそうなので、時々、議題の元になった問いを再確認します。
最も単純な生物の部類に入る細菌と、(大西さんの言葉を借りれば2段階も)より高次の存在である多細胞生物の人間とが、
(1)「なんで」似ている必要があるの??
2段階もの組織化を経ているのだから、似て無くても全く問題ないじゃないの?
これが最初の問いです。そして、
(2)じゃあ、本当に似ているのか比べて見ようじゃないですか!
これが、今やっていることです。そして、
もしも、もしも、、、同一のしくみだらけだったとしたら。。。しょうがない、一歩先に進んで、
(3)両者がほとんど同じように組織される理由を考えてみようじゃありませんか!
というスタンスでおります。
誤解の無いようにしていただきたいことは、
・細胞<組織<個体<社会<国家<超国家といった昔ながらの一般システム論的な階層を再確認するために投稿しているのでは「ありません」。
・生物の特徴を明らかにするための投稿でも「ありません」。
生物の特徴は、議論を通じて間接的に明らかになるとは思いますが、それが直接の目的ではありません。
全く単純に、ほんとに似ているの?かを判定したい、判定のための道具がほしいということで、様々な分野のメンバのご意見を伺いたいのです。
原核細胞と多細胞生物の人間を、真面目に比べたという仕事は(比較の基準があまりにも曖昧ですし科学論文にはなりにくそうなこともあってか)見たことがありません。
思いつきでやるしかありません。スケールフリーのシステム構造どうしで比較できないか?という思いつきで、今投稿しています。
両者を比べる方法自体を手探りしながら(比較の物差しを造りながら)、一致する点、不一致な点を洗い出そうとしているわけです。
両者に特徴的な時空間スケールで規格化して比較した結果、ほとんど同じシステム構造だったとしたら、それは実際「あり得ない」ことだと思います。
もしだとしたら、両者とも「何故そのように組織されているのか?」という次の段階の問いに移れる気がします。
この段階に達することがあれば、そこでは生物の進化、おそらくは化学進化段階の組織化の要因を検討することになりそうです。
(つづく)
最も単純な生物の部類に入る細菌と、(大西さんの言葉を借りれば2段階も)より高次の存在である多細胞生物の人間とが、
(1)「なんで」似ている必要があるの??
2段階もの組織化を経ているのだから、似て無くても全く問題ないじゃないの?
これが最初の問いです。そして、
(2)じゃあ、本当に似ているのか比べて見ようじゃないですか!
これが、今やっていることです。そして、
もしも、もしも、、、同一のしくみだらけだったとしたら。。。しょうがない、一歩先に進んで、
(3)両者がほとんど同じように組織される理由を考えてみようじゃありませんか!
というスタンスでおります。
誤解の無いようにしていただきたいことは、
・細胞<組織<個体<社会<国家<超国家といった昔ながらの一般システム論的な階層を再確認するために投稿しているのでは「ありません」。
・生物の特徴を明らかにするための投稿でも「ありません」。
生物の特徴は、議論を通じて間接的に明らかになるとは思いますが、それが直接の目的ではありません。
全く単純に、ほんとに似ているの?かを判定したい、判定のための道具がほしいということで、様々な分野のメンバのご意見を伺いたいのです。
原核細胞と多細胞生物の人間を、真面目に比べたという仕事は(比較の基準があまりにも曖昧ですし科学論文にはなりにくそうなこともあってか)見たことがありません。
思いつきでやるしかありません。スケールフリーのシステム構造どうしで比較できないか?という思いつきで、今投稿しています。
両者を比べる方法自体を手探りしながら(比較の物差しを造りながら)、一致する点、不一致な点を洗い出そうとしているわけです。
両者に特徴的な時空間スケールで規格化して比較した結果、ほとんど同じシステム構造だったとしたら、それは実際「あり得ない」ことだと思います。
もしだとしたら、両者とも「何故そのように組織されているのか?」という次の段階の問いに移れる気がします。
この段階に達することがあれば、そこでは生物の進化、おそらくは化学進化段階の組織化の要因を検討することになりそうです。
(つづく)
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
(修正と補足)
ここは話の流れに影響無いので読み飛ばしていただいても結構です。
大腸菌で、主に炭水化物のリザバーであるグリコーゲン顆粒を例に挙げたため、肝臓の局所定値制御についても、血糖(グルコース)を念頭に肝細胞から低分子栄養が放出されるように読める書き方をしました。グルコースの場合たしかにそうなのですが、窒素代謝に関しては、アミノ酸が肝から直接放出されるのではなく、それを肝細胞内でアルブミン等のタンパク質に再度合成した後、血液中に分泌する形で放出します。このタンパク質が筋肉など他の組織で分解され、アミノ酸として再利用されます。
流れとしては、
消化管からのアミノ酸→
肝臓による吸収(
アルブミン等の分泌タンパク質への再合成、または脱アミノによる炭水化物・脂肪系への転用 →
分泌タンパク質の滑面小胞体への貯蔵→
分泌)→血漿タンパク質→
肝自体を含む全身の組織への取り込み(
分解→アミノ酸→タンパク質合成、または脱アミノによる炭水化物・脂肪系への転用)→。。。
です。
この間、血中アミノ酸濃度、肝細胞内の分泌タンパク質量、次いで血中の分泌タンパク質濃度が概ね定値に保たれます。栄養が途絶えた(飢餓状態)では、肝細胞質でオートファジーがおこり得られたアミノ酸でタンパク質分泌が維持される現象が見られます。
(修正と補足おわり)
ここは話の流れに影響無いので読み飛ばしていただいても結構です。
大腸菌で、主に炭水化物のリザバーであるグリコーゲン顆粒を例に挙げたため、肝臓の局所定値制御についても、血糖(グルコース)を念頭に肝細胞から低分子栄養が放出されるように読める書き方をしました。グルコースの場合たしかにそうなのですが、窒素代謝に関しては、アミノ酸が肝から直接放出されるのではなく、それを肝細胞内でアルブミン等のタンパク質に再度合成した後、血液中に分泌する形で放出します。このタンパク質が筋肉など他の組織で分解され、アミノ酸として再利用されます。
流れとしては、
消化管からのアミノ酸→
肝臓による吸収(
アルブミン等の分泌タンパク質への再合成、または脱アミノによる炭水化物・脂肪系への転用 →
分泌タンパク質の滑面小胞体への貯蔵→
分泌)→血漿タンパク質→
肝自体を含む全身の組織への取り込み(
分解→アミノ酸→タンパク質合成、または脱アミノによる炭水化物・脂肪系への転用)→。。。
です。
この間、血中アミノ酸濃度、肝細胞内の分泌タンパク質量、次いで血中の分泌タンパク質濃度が概ね定値に保たれます。栄養が途絶えた(飢餓状態)では、肝細胞質でオートファジーがおこり得られたアミノ酸でタンパク質分泌が維持される現象が見られます。
(修正と補足おわり)
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
(あらすじ)
個体とその部分の時空間スケールの比を合致させて考える時、
大腸菌の中のグリコーゲン顆粒(の仕組み)と、人間の肝臓(の仕組み)が
(個体レベルでの入出力が同じと見なすという前提の上で)ほぼ相同なBB(ブラックボックス)と言えそうなことがわかりました。
次に、個体としてのBBの入出力と、それら一部の要素システムを結ぶ他の要素システム、およびそれらの接続関係について見てゆきます。
(あらすじ終わり)
だいぶ時間が空いたので、またまた課題を確認しておきます。
今、システムの記述レベルが図のように分かれているとします(※)。
第N層:個体BB
↑↓
第N-1層:個体BBの要素システム
↑↓
第N-2層:その要素システムのさらに要素システム
↑↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑↓
第0層:元素の運動状態
個体BBを要素に分けてどんどん詳しく説明してゆくと、どんな個体BBも元素の運動状態(第0層の記述レベル)にまで到達するでしょう。しかしそこまで綿密な記述は実際上不可能です。逆に判定対象である第N層レベルの記述(つまり、大腸菌と人間)で、個体BBどうしを比較しても裏付けに乏しく意味がありません。
そのため、2つのシステムを比較するには記述の詳しさを限定して、その記述の詳しさ(記述レベルと呼ぶことにします)において、相違を議論することが不可欠です。
先に、ピトー管の例でも述べたように記述レベルが高すぎると実際ほぼ全てのシステムは異なるシステムと判定されてしまうでしょう。そこでは、「人間」「大腸菌」といった区分は存在せず、個々異なるシステムとして個人や菌体が存在し、しかもそれらが時々刻々異なるシステムに変化していて一つとして相同なシステムは存在しないといった結論しか得られません。
それで、ここでは「3段階」の記述レベルに限って比較しています。
つまり、第N層のシステムどうしの相同性を判定するには、
(つまり大腸菌の個体BB、人間の個体BBの相同性を判定するには)
先ず、
第N-2層の記述レベルで
(つまり、ADP-グルコースの定値制御系、血中低分子栄養の定値制御系等で)
第N-1層のシステムの相同性を判定し、
(つまりグリコーゲン顆粒貯蔵システム、肝臓貯蔵システムの相同性を判定し、)
次に、
そこで相同と判定された第N-1層の要素システム群について、
第N-1層の記述レベルで、
(つまりともに貯蔵システムを持つ等で)
第N層のシステムを記述して、最終的に第N層のシステムの相同性を判定する、
といったことをもくろんでいます。
(そのことを、「3段階の記述レベルに限って相同性を判定する」と言いました。)
しかし、比較の前提には「2つの個体BBの入出力が相同だとすると、」という仮定がありました。
この前提は、(時空間スケールが大きく異なる)個々のBBについて、第N層、第N-1層、第N-2層の各記述レベルを合わせる基準でもありました。
そのため、第N-1層の或るシステムどうしが第N-2層の記述レベルで相同と判定されただけでは、第N層(つまり個体BB)の入出力との関係が不明なので、不十分な情報しか得られません。
第N-1層のシステム A は、個々に相同であるだけでなく、
その入出力が
1)第N層の個体BBの入出力とつながっており、
2)そのつながり方は先の記述レベルと整合しており、しかも
3)そのつながり方も相同で、
はじめて、第N層の2つのシステムが相同であるであることの必要条件、
つまり
「第N層の2つのシステムは、第N-1層のシステム A について相同である。」(※1)
が得られるわけです。
この「つながり方」を、どう比較するかが問題です。
(つづく)
※余談ですが「↑↓」が示すギャップには、特徴的な時空間サイズに、かならず10倍以上のひらきがあるようです。
筆者は、どうやらこのギャップは人間の認知特性を反映する以上に、その背景に物理的な制約があって生じるものであり、実際そのように区分せざるを得ないものであるように考えています。このことについても、いずれ議論したいと思います。
個体とその部分の時空間スケールの比を合致させて考える時、
大腸菌の中のグリコーゲン顆粒(の仕組み)と、人間の肝臓(の仕組み)が
(個体レベルでの入出力が同じと見なすという前提の上で)ほぼ相同なBB(ブラックボックス)と言えそうなことがわかりました。
次に、個体としてのBBの入出力と、それら一部の要素システムを結ぶ他の要素システム、およびそれらの接続関係について見てゆきます。
(あらすじ終わり)
だいぶ時間が空いたので、またまた課題を確認しておきます。
今、システムの記述レベルが図のように分かれているとします(※)。
第N層:個体BB
↑↓
第N-1層:個体BBの要素システム
↑↓
第N-2層:その要素システムのさらに要素システム
↑↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑↓
第0層:元素の運動状態
個体BBを要素に分けてどんどん詳しく説明してゆくと、どんな個体BBも元素の運動状態(第0層の記述レベル)にまで到達するでしょう。しかしそこまで綿密な記述は実際上不可能です。逆に判定対象である第N層レベルの記述(つまり、大腸菌と人間)で、個体BBどうしを比較しても裏付けに乏しく意味がありません。
そのため、2つのシステムを比較するには記述の詳しさを限定して、その記述の詳しさ(記述レベルと呼ぶことにします)において、相違を議論することが不可欠です。
先に、ピトー管の例でも述べたように記述レベルが高すぎると実際ほぼ全てのシステムは異なるシステムと判定されてしまうでしょう。そこでは、「人間」「大腸菌」といった区分は存在せず、個々異なるシステムとして個人や菌体が存在し、しかもそれらが時々刻々異なるシステムに変化していて一つとして相同なシステムは存在しないといった結論しか得られません。
それで、ここでは「3段階」の記述レベルに限って比較しています。
つまり、第N層のシステムどうしの相同性を判定するには、
(つまり大腸菌の個体BB、人間の個体BBの相同性を判定するには)
先ず、
第N-2層の記述レベルで
(つまり、ADP-グルコースの定値制御系、血中低分子栄養の定値制御系等で)
第N-1層のシステムの相同性を判定し、
(つまりグリコーゲン顆粒貯蔵システム、肝臓貯蔵システムの相同性を判定し、)
次に、
そこで相同と判定された第N-1層の要素システム群について、
第N-1層の記述レベルで、
(つまりともに貯蔵システムを持つ等で)
第N層のシステムを記述して、最終的に第N層のシステムの相同性を判定する、
といったことをもくろんでいます。
(そのことを、「3段階の記述レベルに限って相同性を判定する」と言いました。)
しかし、比較の前提には「2つの個体BBの入出力が相同だとすると、」という仮定がありました。
この前提は、(時空間スケールが大きく異なる)個々のBBについて、第N層、第N-1層、第N-2層の各記述レベルを合わせる基準でもありました。
そのため、第N-1層の或るシステムどうしが第N-2層の記述レベルで相同と判定されただけでは、第N層(つまり個体BB)の入出力との関係が不明なので、不十分な情報しか得られません。
第N-1層のシステム A は、個々に相同であるだけでなく、
その入出力が
1)第N層の個体BBの入出力とつながっており、
2)そのつながり方は先の記述レベルと整合しており、しかも
3)そのつながり方も相同で、
はじめて、第N層の2つのシステムが相同であるであることの必要条件、
つまり
「第N層の2つのシステムは、第N-1層のシステム A について相同である。」(※1)
が得られるわけです。
この「つながり方」を、どう比較するかが問題です。
(つづく)
※余談ですが「↑↓」が示すギャップには、特徴的な時空間サイズに、かならず10倍以上のひらきがあるようです。
筆者は、どうやらこのギャップは人間の認知特性を反映する以上に、その背景に物理的な制約があって生じるものであり、実際そのように区分せざるを得ないものであるように考えています。このことについても、いずれ議論したいと思います。
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
つながり方を、要素システム群の入出力の接続関係で表そうとするとき、
先に相同と判定された(第N-1層の)要素システムAの入出力を第N層につなぐべき他の要素システム群もまた、全て第N-2層の記述レベルで相同判定されていなければならないとしましょう。
すると、
それら全ての相同性が判定されてはじめて、やっと一つの要素システムAからの必要条件、「2つの個体BBは、その要素システムについて相同である」
が満たされるわけですから、たいへんな作業になります。
(同時に全ての要素システムからの必要条件も全て満たされるということはありますが。)
また逆に、そのうちどれか一つでも第N-2層の記述レベルで相同でないと判定されると、どの要素システムXからの必要条件
「2つの個体BBは、要素システムXについて相同である」であれ、
全て満足されないことになります。
私は、
第N層の2つのシステムが相同であることイコール
「第N-1層の第i番目の要素システムについて相同である」ことが
全てのiについて満足されていること、という前提で議論しています。
さらに、仮に全てのiについては満足されなくとも、
どのiについて相同で、他のiについては相同でないといった議論が出来ると都合が良いと思っています。
全て第N-2層レベルでの相同判定が必要だとすると、この要求に合致しません。
そもそも「第N-1層の第i番目の要素システムについて相同である」という条件を個別に切り分けることができないわけですから。
そこで、上の要求に合致する、つながり方の比較方法として、
1)第N-2層レベルの相同性は不問として、
全て第N-1層の記述レベルで記述し、
2)要素システムAと他の要素システムの接続関係を比べて、
相同性を判定すること、
を導入したいと思います。
つまり、
第N-1層の要素システムAは、第N-2層の記述でその相同性を判定し、
さらに、上の方法で第N層のシステムの入出力と関連付けることで、
個々の必要条件
「2つの個体BBは、要素システムAについて相同である」
を切り分けできるようにするのです。
具体的に適用してみます。
大腸菌のグリコーゲン顆粒の場合、入出力はともにADPグルコース(ADPGlu)、
肝臓の場合、入出力はともに低分子栄養物質が溶けた血液(BloodN)であり、
両システムとも貯蔵庫・リザバー(reservoir)局所での定値制御系(stabilizer)を成していました。
輸送は '->' 、機能は()でくくって、例えば,定値制御を (stabilize) と
書くことにして簡単に図示すると、
大腸菌のグリコゲン顆粒の系は、第N-2層の記述レベルで
* <- -> ADPGlu <- (stabilize) -> Glycogen(reservoir)
(*は、個体BBとの接続部分)のような構成であり肝臓は、
* <- -> BloodN <- (stabilize) -> Liver Cells(reservoir)
のような構成をもとに相同と判定されました。
比較の前提として同一視した、大腸菌BB、人間BBへの入力は、
有機物質(炭水化物、脂肪、タンパク質その他とそれに付随する自由エネルギー)、無機物質、
出力は、入力の一部と、無機低分子物質(水、二酸化炭素、アンモニア等)、熱であり、
両BBはともにローパスフィルタとしての性質をもっていました。
簡単のため、
高分子有機物質(炭水化物、脂肪、タンパク質等)をNN、
低分子有機物質(単糖、脂肪酸、アミノ酸等)をN
排出物としての低分子有機化合物をEと書くと、
大腸菌の個体BBは、
細胞外N <- -> 大腸菌(low-pass filter) -> 細胞外E
人間の個体BBは、
体外NN <- -> 人間(low-pass filter) -> 体外E
のような入出力を持ち、
細胞外N と 体外NN 、
細胞外E と 体外E
を同一視するという前提で、第N-1層以下の比較に進みました。
大腸菌で、グリコーゲン顆粒の入出力と大腸菌の入出力の接続を、
第N-1層の記述レベルで書くと、
細胞外N
↓
経膜輸送
↓
細胞内N
↓
(conversion1)
↓
ADPGlu <- -> * グリコーゲン顆粒(貯蔵システム)
↑
(conversion2)
↓
acids etc.
↓
E
↓
経膜輸送
↓
細胞外E
となり、(*)部分でつながっています。
人間BBの入出力と肝臓との接続は、
同じく第N-1層レベルの記述で(もうちょっと端折っている部分もありますが)、
体外NN
↓
経口摂取
↓
消化管内NN
↓
(消化吸収)
↓
BloodN <- -> * 肝臓(貯蔵システム)
↑
(conversion3)
↓
他の体構成器官
↓
E
↓
排泄(by 腎等)
↓
体外E
となり(*)部分でということになります。
conversion1は、摂取されたグルコースの直接燐酸化、
conversion2は、グルコースの分解産物である有機酸やアミノ酸等、他のNからの変換を意味します。
人間BBで
conversion3は、筋肉、骨、脳など他の要素システム(Othersystems)の分解、異化同化経由の変換を意味します。
(つづく)
先に相同と判定された(第N-1層の)要素システムAの入出力を第N層につなぐべき他の要素システム群もまた、全て第N-2層の記述レベルで相同判定されていなければならないとしましょう。
すると、
それら全ての相同性が判定されてはじめて、やっと一つの要素システムAからの必要条件、「2つの個体BBは、その要素システムについて相同である」
が満たされるわけですから、たいへんな作業になります。
(同時に全ての要素システムからの必要条件も全て満たされるということはありますが。)
また逆に、そのうちどれか一つでも第N-2層の記述レベルで相同でないと判定されると、どの要素システムXからの必要条件
「2つの個体BBは、要素システムXについて相同である」であれ、
全て満足されないことになります。
私は、
第N層の2つのシステムが相同であることイコール
「第N-1層の第i番目の要素システムについて相同である」ことが
全てのiについて満足されていること、という前提で議論しています。
さらに、仮に全てのiについては満足されなくとも、
どのiについて相同で、他のiについては相同でないといった議論が出来ると都合が良いと思っています。
全て第N-2層レベルでの相同判定が必要だとすると、この要求に合致しません。
そもそも「第N-1層の第i番目の要素システムについて相同である」という条件を個別に切り分けることができないわけですから。
そこで、上の要求に合致する、つながり方の比較方法として、
1)第N-2層レベルの相同性は不問として、
全て第N-1層の記述レベルで記述し、
2)要素システムAと他の要素システムの接続関係を比べて、
相同性を判定すること、
を導入したいと思います。
つまり、
第N-1層の要素システムAは、第N-2層の記述でその相同性を判定し、
さらに、上の方法で第N層のシステムの入出力と関連付けることで、
個々の必要条件
「2つの個体BBは、要素システムAについて相同である」
を切り分けできるようにするのです。
具体的に適用してみます。
大腸菌のグリコーゲン顆粒の場合、入出力はともにADPグルコース(ADPGlu)、
肝臓の場合、入出力はともに低分子栄養物質が溶けた血液(BloodN)であり、
両システムとも貯蔵庫・リザバー(reservoir)局所での定値制御系(stabilizer)を成していました。
輸送は '->' 、機能は()でくくって、例えば,定値制御を (stabilize) と
書くことにして簡単に図示すると、
大腸菌のグリコゲン顆粒の系は、第N-2層の記述レベルで
* <- -> ADPGlu <- (stabilize) -> Glycogen(reservoir)
(*は、個体BBとの接続部分)のような構成であり肝臓は、
* <- -> BloodN <- (stabilize) -> Liver Cells(reservoir)
のような構成をもとに相同と判定されました。
比較の前提として同一視した、大腸菌BB、人間BBへの入力は、
有機物質(炭水化物、脂肪、タンパク質その他とそれに付随する自由エネルギー)、無機物質、
出力は、入力の一部と、無機低分子物質(水、二酸化炭素、アンモニア等)、熱であり、
両BBはともにローパスフィルタとしての性質をもっていました。
簡単のため、
高分子有機物質(炭水化物、脂肪、タンパク質等)をNN、
低分子有機物質(単糖、脂肪酸、アミノ酸等)をN
排出物としての低分子有機化合物をEと書くと、
大腸菌の個体BBは、
細胞外N <- -> 大腸菌(low-pass filter) -> 細胞外E
人間の個体BBは、
体外NN <- -> 人間(low-pass filter) -> 体外E
のような入出力を持ち、
細胞外N と 体外NN 、
細胞外E と 体外E
を同一視するという前提で、第N-1層以下の比較に進みました。
大腸菌で、グリコーゲン顆粒の入出力と大腸菌の入出力の接続を、
第N-1層の記述レベルで書くと、
細胞外N
↓
経膜輸送
↓
細胞内N
↓
(conversion1)
↓
ADPGlu <- -> * グリコーゲン顆粒(貯蔵システム)
↑
(conversion2)
↓
acids etc.
↓
E
↓
経膜輸送
↓
細胞外E
となり、(*)部分でつながっています。
人間BBの入出力と肝臓との接続は、
同じく第N-1層レベルの記述で(もうちょっと端折っている部分もありますが)、
体外NN
↓
経口摂取
↓
消化管内NN
↓
(消化吸収)
↓
BloodN <- -> * 肝臓(貯蔵システム)
↑
(conversion3)
↓
他の体構成器官
↓
E
↓
排泄(by 腎等)
↓
体外E
となり(*)部分でということになります。
conversion1は、摂取されたグルコースの直接燐酸化、
conversion2は、グルコースの分解産物である有機酸やアミノ酸等、他のNからの変換を意味します。
人間BBで
conversion3は、筋肉、骨、脳など他の要素システム(Othersystems)の分解、異化同化経由の変換を意味します。
(つづく)
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
ざっくり見て、大腸菌での貯蔵システムのつながり方と、人間の貯蔵システムのつながり方は似ているようです。
次に、
各々のコンパートメントの切り分けが、妥当かどうか見てゆきます。妥当なら、各個体BBは貯蔵システムについて相同であるというストーリーです。
個体BBの入出力の同一視という前提から両者の時空間スケールの対応関係が決まりましたが、
まずは、このスケール対応関係で見て、各コンパートメントが同等かどうかを見る必要がありそうです。
さらに、各コンパートメントの機能の一致もまた、どうにかして判定しなければなりません。
(つづく)
次に、
各々のコンパートメントの切り分けが、妥当かどうか見てゆきます。妥当なら、各個体BBは貯蔵システムについて相同であるというストーリーです。
個体BBの入出力の同一視という前提から両者の時空間スケールの対応関係が決まりましたが、
まずは、このスケール対応関係で見て、各コンパートメントが同等かどうかを見る必要がありそうです。
さらに、各コンパートメントの機能の一致もまた、どうにかして判定しなければなりません。
(つづく)
Kazuhiro Iida
投稿数: 68
(あらすじ)
今、大腸菌BBと人間BBの入出力と、貯蔵システム(グリコーゲン顆粒)、貯蔵システム(肝臓)の入出力のつながり方をざっくり書いて、そのつながりの各区分が互いに対応づけ可能な切り分け方になっているかを確認しようとしています。
(あらすじ終わり)
この「切り分け」「区分」という概念は曖昧すぎて判定のしようが無いように思えるかもしれませんが、検出関数の考え方を使うと、だいぶ具体的な議論ができそうです。
私は以前、事物をきちんと記述すると、
(1)生命起源のような創発現象がシミュレーションできる
ようになったり(Biosystems 50:61-69,1999)
(2)その出現順序が決定できたりする(膜 26:237-243, 2001)、
という論文を書きました(イミフじゃわいという方チラ見してみて下さい。さらにイミフかもしれませんが。)
検出関数(Detector Function)は、その記述方法です。
「境界がある」等の曖昧な概念を条件式で明示し、計測対象の状態に応じてその条件が満たされているか否かを真偽値で返すような汎関数です。
検出関数は、
(1)観測範囲と、
(2)その範囲内の物理化学状態を評価する条件式
から成ります。
観測範囲(フォーカスと呼びます)は、個々の検出関数に固有の時空間領域で、サイズと形状を持ちます。
条件式は、そのフォーカス内を測定して得られる特定の物理化学状態が満たすべき条件を書いたものです。
その考え方をもとに、切り分けの妥当性を評価するとすると、こんなふうです。
つまり、
要素システムの入出力と個体BBの入出力をつなぐ第N-1層の記述を、大腸菌BBと人間BBそれぞれ、検出関数のシーケンスで表したとします。
例えば,
細胞外N
↓(拡散)
経膜輸送
↓(拡散)
細胞内N
。。。
を
拡散の検出関数、経膜輸送の検出関数、拡散の検出関数。。と書くといった具合です。
検出関数の条件式は、第N-1層相当の詳しさで記述するとします。
もし、
1)それらの検出関数の個数が一致し、
2)対応する各検出関数どうしがフォーカスの実サイズを除いて一致し、
3)さらに、同じ系列内の検出関数どうしのフォーカスのサイズ比が、
大腸菌の系列と人間の系列で同じなら
その切り分けは妥当と判定するのです。
大腸菌BBと人間BBの中に、そのような検出関数のシーケンスを探して、もし見つかったら、「大腸菌BBと人間BBは要素システムAについて相同である、なぜなら、このように定めた検出関数の記述が一致するからである」と言いたいわけです。
※ちなみに第N-2層レベルで要素システムを記述する場合にも、検出関数として記述するのが、明示的で良いと思われます。後日、どんな記述になるか示せればと思います。
(つづく。)
今、大腸菌BBと人間BBの入出力と、貯蔵システム(グリコーゲン顆粒)、貯蔵システム(肝臓)の入出力のつながり方をざっくり書いて、そのつながりの各区分が互いに対応づけ可能な切り分け方になっているかを確認しようとしています。
(あらすじ終わり)
この「切り分け」「区分」という概念は曖昧すぎて判定のしようが無いように思えるかもしれませんが、検出関数の考え方を使うと、だいぶ具体的な議論ができそうです。
私は以前、事物をきちんと記述すると、
(1)生命起源のような創発現象がシミュレーションできる
ようになったり(Biosystems 50:61-69,1999)
(2)その出現順序が決定できたりする(膜 26:237-243, 2001)、
という論文を書きました(イミフじゃわいという方チラ見してみて下さい。さらにイミフかもしれませんが。)
検出関数(Detector Function)は、その記述方法です。
「境界がある」等の曖昧な概念を条件式で明示し、計測対象の状態に応じてその条件が満たされているか否かを真偽値で返すような汎関数です。
検出関数は、
(1)観測範囲と、
(2)その範囲内の物理化学状態を評価する条件式
から成ります。
観測範囲(フォーカスと呼びます)は、個々の検出関数に固有の時空間領域で、サイズと形状を持ちます。
条件式は、そのフォーカス内を測定して得られる特定の物理化学状態が満たすべき条件を書いたものです。
その考え方をもとに、切り分けの妥当性を評価するとすると、こんなふうです。
つまり、
要素システムの入出力と個体BBの入出力をつなぐ第N-1層の記述を、大腸菌BBと人間BBそれぞれ、検出関数のシーケンスで表したとします。
例えば,
細胞外N
↓(拡散)
経膜輸送
↓(拡散)
細胞内N
。。。
を
拡散の検出関数、経膜輸送の検出関数、拡散の検出関数。。と書くといった具合です。
検出関数の条件式は、第N-1層相当の詳しさで記述するとします。
もし、
1)それらの検出関数の個数が一致し、
2)対応する各検出関数どうしがフォーカスの実サイズを除いて一致し、
3)さらに、同じ系列内の検出関数どうしのフォーカスのサイズ比が、
大腸菌の系列と人間の系列で同じなら
その切り分けは妥当と判定するのです。
大腸菌BBと人間BBの中に、そのような検出関数のシーケンスを探して、もし見つかったら、「大腸菌BBと人間BBは要素システムAについて相同である、なぜなら、このように定めた検出関数の記述が一致するからである」と言いたいわけです。
※ちなみに第N-2層レベルで要素システムを記述する場合にも、検出関数として記述するのが、明示的で良いと思われます。後日、どんな記述になるか示せればと思います。
(つづく。)