|
荒様 松浦様 LIFEの皆様
飯田:先日,裸の遺伝子が筋肉注射で取り込まれることがあると書きましたが,
これは,細胞に取り込まれるということで,核内遺伝子に取り込まれるという
意味ではありません.遺伝子治療で,外来の遺伝子を核内の遺伝子に乗せるには
,逆転写酵素を持つレトロウイルスの中に仕込むなどのクレバーな方法が必要
です.
とすると,細胞内共生体の遺伝子が,ホストの核に移動するとした場合でも
共生体が壊れて,むき出しになった遺伝子の断片が核に移行するというよりは
治療の場合と同様,何かのクレバーな仕組みがあったんじゃないかと考えてしま
います.
>荒さん:あるような気がしますが。単細胞生物では水平遺伝(だったでしょう
>か?でだいぶ遺伝子のやりとりは起こっているという主張はありますね。
細菌の世界では,薬剤耐性プラスミドなどが種を越えてやりとりされるようですが
もっと多様な遺伝子を持ち込んだり,核から切り出しする,遺伝子工学のベクター
みたいなものが,共生体ができた頃,既に存在していて,共生体とホストの核の間
を行ったり来たりしてたのかもしれません.
そういう定期便みたいなベクターってありますか?
(遺伝子工学に強い方,ご指導下さい.)
遺伝子工学には強くないですが,いきなり遺伝子工学を勉強した方が
遺伝子のホスト核への移動が理解できたりするかも..などと考えております.
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
----- |
|
|