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こんにちは、玉木@東京医科歯科大学です。
飯田さん。
> Q1.どのような機構で,共生細菌の遺伝子が核に移動するんでしょうか?
私の知る限りでは明らかになっていません。逆に言うなら、共生説の完全な証明は
共生細菌の遺伝子が、いかにして宿主細胞のゲノムに取り込まれるのかという機構
の解明にほかなりません。考えられることとしては、ご存知のとおり、原核細胞の
ゲノムは裸で細胞質内に存在しています。ですから、ウイルスやその他のベクター
として働くものによって、宿主のゲノムに共生細菌のゲノムが組み込まれることが
あるかもしれません。また、遺伝子の修復機構も現在の細胞に比べれば原始的(未
完成)であったでしょうから、組み込まれた遺伝子が排除されることがなかったの
かもしれませんし、さらにいうなら、そのような修復機能の誤作動によってなされ
たのかもしれません。いずれにしても、組み込まれた遺伝子が正常に発現し、しか
も再び共生細菌のパーツとして正常に機能することは、とんでもないことでしょう
。しかも、共生細菌のすべての遺伝情報が宿主のゲノムに組み込まれているわけで
はないのですから。まともな答えになっていませんが、とりあえず。私も詳しい情
報があれば知りたいです。
東京医科歯科大学
難地疾患研究所情報医学研究部門(医薬情報):四月からは「生命情報」になりま
す。
玉木栄三郎
E-mail : tamacom@***.***
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