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Natureの最新号(Vol.392, 5 March, 1998)に細胞内共生説の話しが出てました.
それについて,ちょっと質問があります.
私は,この辺の話しに疎いのですが,以前から疑問に思っていることが
あります.この際,詳しい方にお聞きしたいのです細胞内共生説で,
Q1.どのような機構で,共生細菌の遺伝子が核に移動するんでしょうか?
ついでに,先の論文を簡単に紹介します.
{The hydrogen hypothesis for the first eukaryote, Martin, W. and
Mu''{u}
ller, M., Nature 392:37-41.}
新しいのは,ミトコンドリアの遺伝子を調べたところα-Proteobacteriaという
水素を産生する細菌のそれに近いことがわかったそうです.また,ミトコンドリ
ア
を持たない真核細胞生物(原生動物の中には結構いくつもいます)の中には,ミト
コ
ンドリアの代わりに,水素を産生する細胞内器官(Hydrogenosome)を持つものが
あるそうです.それらの多くの事実をもとに,William Martine と M''{u}ller
さんは,水素を利用してATPを得ていた真核の古細菌が,環境中の水素の枯渇
に
伴って,水素を産生するα-proteo bacteriaの原型と共生することで生き残り,
さらに,それを細胞内に取り込んだものがミトコンドリアの原型であるとする
「水素起原仮説」を提案されたそうです.
そのうち真核細胞の方が有機物を取り込んでピルビン酸を産生できるようになる
と,それを先に取り込んだ細菌に供給して,ATPそのものを得るようになっ
た.
逆に,変化した先の細菌は,そのゲノムの一部を真核細胞に送り込むことで,真
核細胞の仕組みを利用しながら同期して楽に暮らせるようになった.そういう話
でした.
飯田@NEC
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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