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筑波大の三田です。
しばらく読ませてもらっていくつかの<感想>を述べさせ
てもらいます。
飯田さんん仕事は、大雑把にとらえると生命を数式で記述
することと理解しています。非常に面白そうな試みと思っ
ています。
そのためには、スケールの問題でなく数式での表記という
点から、確かに「非平衡統計熱力学の表現」が適当そうな
<気>がします。そして、悲しいことに物理の苦手な一人
の化学屋にとっては、自分の別世界と異なる世界だと逃げ
て終わってしまいます。まして、いくつも難しいそうな論
文を見ろと言われても、とても見るヒマも理解するバック
グランドもありません。それでも、あえていくつかの感想
を述べます。そちらの世界からすれば見当違いなのかもし
れませんが、それはご容赦下さい。
まず、各要素に意味をつけずにシステムを記述できるので
しょうか?また、それで検証が可能になるのでしょうか?
>そのような生命システムを記述する時,重要なことは,システム
>を記述する各要素に特別な意味や目的を与えないような表現を用
>いるということで,特定のシステムを見いだしたり,それが生命
>的であるか否かを判断するのは,我々の観察の結果として後付に
>決まるようにすることです.[LIFE - No.00059]
下記で定義された定義は、一般に想起される代謝系の必要
条件かというと疑問を感じます。例えば、以下の定義では、
地球も代謝していることになりませんか。もちろん、宇宙
生命というような概念では地球も代謝しているのでしょう
が、一般に想起される代謝系の概念とは異なりませんか?
また、飯田さんが求めているものとも異なると思うのです
が?(自分は、生命の起源を考えると生物ではなく宇宙生
命といったものが哲学的だけではなく科学的にも存在する
ような気がしてきてはいますが。)
>1)代謝系とは,
>ここでいう代謝系とは,次のような性質を持つ系をイメージ
>しております.
>1.非平衡状態にある全体系の熱力学的ドライブによって
> 生じる.
>2.そのドライブによって生じる物質と熱力学量の変換を伴
> う流れの一部である.
>3.その流れの中に部分を区切った場合,その部分系に秩序
> が形成され維持される.[LIFE - No.00052]
> 2)所与の系が代謝系であることの検証方法:
>
> 検証ステップ:
> > 所与の部分系について,
>
> 1.物質,熱力学量の出入りがあるか?
> 無ければNO.
> 2.物質の分布に内外の差があるか?流入したのと別種
> の物質の生産が見られるか?
> 無ければNO.
> 3.部分系の中に持続的に散逸が見られるか?
> 4.その部分系からの物質,熱力学量の出入り禁じた時,
> 散逸が停止するか?[LIFE - No.00058]
よきうわからないというか、なんかピンとこないというか、
そんな感じが全般にします。狙いも意義もわかっているよ
うな気がするのですが、なんとなくそこに到達するための
議論となんとなく違うような気がします。こうした方がと
いう点もわかりませんので、これが大切だといわれれば終
いですが。
三田 肇 MITA, HAjime
E-Mail : mita@***.***
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