|
松浦 様 LIFEの皆様
飯田:
>プログラム → 実行評価 → 新しいプログラム →
>といったシーケンスの遷移を考えてはどうでしょう.
松浦さん:
これは,進化のための遺伝的操作もまた,遺伝子に
埋め込まれているという解釈でよろしいですか?
飯田:
上のようなシーケンスに相当する力学系によって,
(例えば,DNAポリメラーゼが)無い状態から,
有る状態が生じうることを言いました.
非特異的な弱い関係(例えば,弱い触媒作用)が,
上のシーケンスによって強化され特異的なしっかりした
関係(例えば,酵素)に発展してゆくとでも
いいましょうか...
余談ですが,
D.Brayさんとも話したのですが,分子レベルでの
進化はこう捉えることもできるでしょう.
通常,進化では,シンプルな系から複雑な系が生じると
考えられていますが,
触媒能の進化を考える時は,少なくとも逆に見えます.
非特異的であることは,複数の反応を触媒可能という意味
で,また,不確定性があるという意味で,
より複雑な状態であるとも言えます.
進化して,特異的な酵素となった段階では,媒介する反応
は一つだけとなり,可能性が少なくなりますから,シンプル
になったとも言えます.
それで,触媒系の進化を考える時は,
シンプル→複雑というよりは,複雑→シンプルの方が妥当で,
進化は複雑さを低下させるとも言えると考えております.
遺伝子の進化がテーマになってきているようなので,
スレッドを分けました. :)
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
----- |
|
|