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荒様 LIFEの皆様
おはようございます.レスが遅くなりましたが,細胞膜の件です. :)
荒さん> 「膜が維持されるべき代謝系」ですが、形質転換のとき細胞にあいた穴
から
> DNAがとりこまれ(エレクトロポレーションの場合)、またその穴が修復さ
> れたりするのですが、まずはここらへんあたりからでしょうか。ここらへん
> は未解決問題でもあるので、よい拡散計算系ができるとよいですね。
> リポソーム法では膜の融合で(Vesicleと同じ、外から来るだけ)すが、細
> 胞内からVesicleがくるときは、途中のゴルジ体から小胞体にもどっていく
> 分とかもありますよね。細胞分裂のときには膜のリン脂質分子の大幅な増加も
> ありますが、内部システムの記述はさておき、こういう増減はうまくシュミ
> レートできるのでしょうか?
空いた穴が塞がる過程というミクロな現象一つとっても,
1.表面張力に逆らっても,脂質が周りから浸潤するのか?とか
2.それによる膜成分の減少を,細胞内の合成系がどうやってセンスして
補うのか?
など,知らないことだらけです.
私本人は,膜の合成と調節について,もう少し詳しく調べる必要があります.
ご指導いただければと存じます.
さらに,神経細胞が標的細胞に向かって軸索を延ばす場合は,主として
その先端に膜物質の供給なされているらしく(光ピンセットを使った張力
の測定でわかった)
{Bray, D. (1996) ``Membrane biophysics: The dynamics of growing axons,
Current Biology 6:241-243.}
局所への配分機構も知りたいところです.(その仕組みが,どうしてできたか
も含めて)
マクロな変数で膜成分の量を表現して,その合成と分布の規則を書けば
それらしき変化は書けると思います.実体への漸近という意味
では,その辺のモデルに観測結果から得られた知見をどんどん組み込んで
行くあたりから始めるしかないか....
悩ましいところです.
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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