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生命の起源 #310 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
310
DATE
10/31/1997 08:30:50 AM
TITLE
[life:000310] [Fwd: [ycp:211] No.9 IMS FORUM on11/12]
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


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ご参考まで.
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.

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Content-Disposition: inline

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Message-Id: <199710301525@@***.***>
To: iida@***.***
From: Yoshitaka Tanimura <tanimura@***.***>
Subject: [ycp:211] No.9 IMS FORUM on11/12
Date: Fri, 31 Oct 97 00:25:11 +0900
Reply-To: ycp@***.***
Posted: Fri, 31 Oct 97 00:14:50 +0900

分子科学フォーラム(第9回)
  IMS FORUM (No.9)

題目(TItle):カスケード光化学反応と生命の起源

講演者(Speaker): 豊沢豊(東京大学名誉教授)

日時(Day/Time):平成9年 11月12日(水)16:00-17:30
 15:30よりコーヒー、紅茶等を用意いたします。


場所(Room): 岡崎コンファレンスセンター大会議室


講演要旨(Abstract):  
 「生命の起源」ほど、自然科学者から一般の人々に至るまで広く
好奇心をそそる問題はないだろう。 しかし真の答を手にするためには、
恐らく自然科学全分野の知識と知恵とを結集しなければなるまい。
ここでは、生物学に素人の一物理学者が描く生命誕生のシナリオを
敢えて披瀝して、化学、生物学などの専門的な立場からの御批判を
仰ぎたい。

 近年の分子生物学の発展により生命への理解は著しく深まったが、
物理学から見た生命現象最大の謎は、一見熱力学則に反する無秩序
から秩序への時間発展である。 これは、熱力学則の前提条件である
「熱平衡」を覆すような地球外からの「持続的駆動力」を必要とする。
それは太陽光以外にはあり得ない。  
そこで、(i)40億年に及ぶ太陽光照射の下、原始地球上の無機物質
から、地表温度の熱平衡では存在し得ない、より高い自由エネルギーと
より複雑高次な構造を持つ準安定化合物が次々と合成され、
(ii)それらがこの蓄積した化学エネルギーを、小出しで効率よく使い
ながら、様々な生命活動を展開してきた、というシナリオを考える。

 (i)の光化学反応鎖の律速方程式を極めて簡単なモデルで扱うと、
途中の準安定化合物の寿命が、次の光励起を受けるまでの時間より長い
ような状況では、光化学反応が上昇カスケードで次々に進行して、
熱平衡分布を「逆転」させるような事態が起こりうることを示せる。
(ii)の生命活動にとっての必要条件はこのようにして満たされ、
物理学にとっての最大の謎は一先ず解消する。しかし (i)は
(ii)の十分条件ではなく、個々の生命現象を (i)から如何に導く
かが問題である。

現実の生命現象は極めて複雑である。上記の光化学反応の鎖を
模式図で示した時、実際には各結節点 (反応生成物)でそれに続く
諸反応の鎖が多重に分岐しており、 それらがまた相互にも繋がった、
立体的な反応ネットワークを形成する。光が直接関与しない
ネットワーク側鎖の反応も、実は主鎖における光化学反応を通して
駆動されるのだが、 この繋がりの見え難い遠い側鎖では生命現象が
謎めいて見えるだろう。 階層構造を一足跳びして例を挙げれば、
実際は他律的な植物の光合成に支えられているのに、動物の生命活動は
一見自律的である。 他方、動物の視物質は太陽放射強度の波長分布に
ほぼ比例した吸収スペクトルを持つなど、 より直接的な因果関係も
見出だせる。 また紫外光は遺伝子の突然変異を引き起こし、
自然淘汰を通して生物を進化させるが、日照の強い低緯度地帯ほど
生物種が多いのはこのためであろう。 そもそも地球上の生命活動全体が、
互いに複雑に噛み合った歯車の集合だが、その全体を基軸で回している
「駆動力」が太陽光なのである。


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分子研コロキウムのより詳しい情報は
http://fuji.ims.ac.jp/ims/colloq.htm
を参照して下さい。

問い合わせ先:(分子研コロキウム委員)
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