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LIFEの皆様
見落としていましたが,6月30日号のScienceに東工大の濡木研究室の
成果が報告されていました.
{Science 312:1950-1964}
古細菌はグルタミン(Gln)アミノアシルシンターゼをもっていないのに,
グルタミンがちゃんと使えているのは,まず,グルタミン酸アミノアシル
シンターゼGluRSが間違えてグルタミンtRNAとグルタミン酸を結合させて
しまってできた Glu tRNA ^{Gln}を,アミノ基転移酵素GatEDが認識して
tRNA^{Gln}に結合した状態にあるグルタミン酸にアンモニアを結合する
ことでグルタミンに変えるからだそうですが,
今回,濡木研究室ではGatEDとGlutRNA^{Gln}の結合状態の立体構造を
調べたところ,(はしょりますと)
(1) tRNAのアンチコドン部分はGatEDによって認識されていないこと,
(2)GatED+GlutRAN^{Gln}結合体とGluRSが,コンピュータ上で
ピシャリとドッキングできること
がわかったそうです.
この結果は,
(1)アンチコドンが担う以外にも遺伝暗号の発現ルートがあること,
(2)あたらしい遺伝暗号が追加されていった過程に何かの関係がある
だろうと言っています.
素晴らしい成果だと思います.
でもなぜ,Glnのアンチコドンができたかについては,ようわからんですが.
飯田一浩
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