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飯田様
荒@TAGCです。
実際にDNA分子も含めて、分子や原子の配列に情報を記録する技術
やアルゴリズムの研究は行われているようですが、それはさておき。
>もちろん,保持している情報の意味が違うし,
>大幅に配列が変化してしまっている部分もある
という大雑把な保存性という意味においても、そもそも「保存媒体」
自体が代謝して変化してかつ増殖していますよね(DNAも、DNAの
入れ物も)。かつ情報が正確に読めなくなった媒体は細胞、個体ごと
破棄されています。
これは写本を繰り返したり新しいメディアにコピーしなおしたり常に
しているということなので、当然長持ちするのではないかと思います。
それと情報の冗長性も桁違いに大きいのかもしれません。また読めな
くなったHDDも原子配列を調べればかなり情報をレスキューできると
考えると、読み取り装置のほうの差が大きいのではないでしょうか。
1億年前の細胞と現在の細胞がどの程度情報読み取り装置としての
分子メカニズムが違うかは検証できませんが、もちろんおおざっぱには
似ているでしょうけど、CD読取装置とDVD読取装置よりは違いがあるか
もしれません。
時代にともない、FD、MO、CD、DVDと古い仕事の情報をコピーし続けて
いますけど(バックアップコピーも含めて)、「生きている」=「常時バック
アップとメディア更新をしている」ということなのではないでしょうか?
そう考えると自己複製能力のあるコンピューターウイルスとかは、ある
程度こうした「情報長持ち機能」を獲得していると考えられるかもしれ
ません。
At 09:20 05/02/03 +0900, you wrote:
>昔のFDを引っ張り出してきたら読みとれませんでした.
>保存用につくったFDでしたが,あっけないものです.
>思えば,人間が造った記録媒体はそれほど長持ち
>しないものですね.おおざっぱなオーダー見積もりで
>CDRやHDD → 10年
>今の紙 → 10年?100年
>昔の紙(パピルス,羊皮紙) → 100年?1千年
>アショーカ王の石碑 → 1千年
>洞窟壁画(ラスコーなど) → 1万年?10万年
>といったところでしょうか.
>
>それに比べて,生き物の中にあるDNAって
>少なくとも 10億年のオーダーで長持ちしてますし,
>今後もさらに?億年以上残るんじゃないでしょうか.
>もちろん,保持している情報の意味が違うし,
>大幅に配列が変化してしまっている部分もある
>わけですが,基本的に保存されている配列(例えば,
>モチーフ)や,基本的に保存されている仕組み(例えば,
>遺伝暗号の対応関係などを情報と見ると,
>あながち比較しても意味が無いとも言えない気がします.
>
>100歩ゆずっていただいて,それも情報(誰が記録した
>のかは置いておいて)として,この桁違いの情報保存
>がどうして可能なのか?考えてみると面白いかもしれ
>ません.
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荒 武
TAGC, INSERM
takeshi@***.***
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