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飯田様
大石です。
>おおー,...さすが専門誌.挫折しました.
>(早速peak antenna temperature T^{*}_{R}ちゅうのが
>わかりませんでした.)
電波天文をちょっとかじらないと難しいかも。peak antena tenperature
ってのは,要するに,受信した電波の強さ(エネルギー)を温度で表現
したものです。エネルギー=温度×ボルツマン定数ですから。
>ということは,「生成するはずが無い場所ではない」ということですね.
>未知の反応が見つかったといった類ではなく。
宇宙ではどういう反応でできるかは,はっきりいって分かっていません。
既知かもしれないし未知の反応経路なのかもしれません。
天文関係者が想定する反応としては2種類あります。いずれも二体反応
です。星間分子雲の密度は濃くても10^(7-8) cm^(-3),温度は通常は
数10K,高くて数100Kですので,三体反応は無視して構いません。
運動エネルギーが反応障壁を越えるのには不十分なので,
1)イオン分子反応
反応物の片方がイオン(陽イオン)となっている。もう一方は中性。
この二つが接近すると中性側が分極するので(多くの場合)障壁なし
で反応する。これは気相反応です。
2)星間塵表面反応
塵表面にガスが吸着し,表面上で反応が進む。表面が触媒的に
働く。できた分子は塵表面に集積するが,星からの紫外線によって
塵が暖まると昇華して気相中に出てくる。
大型有機分子は主として2)が効果的と考えられています。2)によって
できた小型有機分子(CH3OH, H2COなど)が気相に出た後1)によって
大きくなる経路も有効であると言われています。
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