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生命の起源 #975 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
975
DATE
01/13/1999 12:51:00 AM
TITLE
[life:00975] Re: selfreplication
AUTHOR
Kazuhiro Iida <iidakek@***.***>
BODY


横林様 LIFEの皆様

つづき.


> 飯田:
> 伝わるのは全て立体構造でも,その立体構造の中身が違う,その違い,
> > (物理的)特徴をどう捉えて自己触媒とか自己複製とか言っているの
> > かということです.以前申し上げたように私は自己複製という言葉が
> > 嫌い(自己言及なので)ですが,その言葉に対応する物理的特徴は在
> > ると思います.間接度は,その特徴を客観的に捉えるための指標の一
> > つになると思います.
>
横林さん:
> 私は立体構造自体ではなく、立体構造という情報が分
> 子認識によってどのように伝わるかどうかが重要だと
> 思っています。いくら複製される構造が複雑でも情報
> 伝達にその複雑な構造が寄与していなければ結果的に
> 複製してもそれは自己複製とは違います。逆に構造が
> 単純でもちゃんとその構造が複製時の情報伝達に関与
> していればそれは立派な自己複製系です。(-N(NH2)2
> と-COOHのsalt-bridgeだけで分子認識する自己複製系
> もあります)飯田さんのおっしゃる「自由度」とは立
> 体構造自体の構造的な「自由度」を指しているようで
> 私のイメージしている情報伝達のプロセスを「客観的
> 」に捉えるのに特に役立つという気はしません。

飯田:
1.新しい視点
横林さんは,ここで新しい視点を提案されたと思います.
つまり,コピーを実現するのに必要な立体構造がコピー
されるという関係があるかどうかですね.
この視点は,分子認識という概念が曖昧なため
酸素ラジカルオゾンの例でもやはり成立すると可能性が
高いです.

これは次の視点と関係すると思います.

「自分の合成に必要な全ての手段を自分で用意できるかどうか」

この視点は,大変魅力的なのですが,「自分」という概念が曖昧
なので,私はしばらくほおっておくことにしています.


2.間接度と構造的自由度について

ご指摘のとうりです.


横林さん
> こういう言い方はまた反感を買うかも知れませんが、
> 実験屋としては今のところ化学的常識、直感を持って、
> 情報伝達がある自己複製と、単なる自己触媒系と区別
> するのに困る例が無いということで、新たに直感的と
> は言えない指標で当たり前だと思っていることを説明
> する必要自体をあまり感じないというのが正直なとこ
> ろです。実際に困るまで考えないというのもあまり自
> 慢できることではありませんが・・・

飯田:
私は,もともと生理実験をやっていた人間ですから,ご指摘
の点は,良く理解できますし反感などみじんもありません.

当たり前の対象を当たり前に扱っている時は良いのですが,
例えば,生命の起原とかいう,粘土の結晶が自己複製すると
いってみたりの「なんでもあり」みたいな状況では,系の
構成成分と比較的独立に,その現象が,どんな意味で生命的
と言えるのかを客観的に示す必要があります.
そうした場合,系の構造や伝達される情報などに関する
整理された知識が必要です.

(ここまでが返事です. :)


飯田@NEC基礎研究所
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Kazuhiro Iida, "Life and Evolution '99 --> "
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
Phone +81(298)50-1142, Facsimile +81(298)56-6136.
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