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生命の起源 #972 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
972
DATE
01/12/1999 03:58:08 PM
TITLE
[life:00972] Re: selfreplication
AUTHOR
Yohei Yokobayashi <yohei@***.***>
BODY


横林です。

> 3.具体例について
>
> 例えば,先に挙げたカルビンサイクルの例では,入り口のリブロ
> ース1,5ジ燐酸)も酵素に触媒されて増えるわけですが,これ
> 自己複製でしょうか?

恥ずかしながら、ちゃんとした生化学の講義も受けた
ことがないので勘違いしていたらご指摘いただきたい
のですが、カルビンサイクルではRuBP(ribulose
biphosphate)は化学量論的に増えても減ってもいませ
んのでなぜこれが自己複製と呼べるのか理解できませ
ん。

> 飯田:
> 厳密には,コピーされる分子を構成する各原子の運動の自由度を
> 全て数えて足した値で良いと思いますが,もっと大ざっぱに数え
> ても判定に矛盾を生じない数え方があると思います.
>
> 例えばモノマーの残基数を一つの自由度,並び方を一つの自由度
> という風に数えるなら,”酸素ラジカル(コピーされるもの)−
> オゾン(基質)”の場合,酸素ラジカルには並び方の自由度が無
> いことが明らかです.

たとえばRebekの例をご存知かどうかわかりませんが、
非常にRigidな有機分子が核酸に似た分子認識作用に
よるテンプレート効果で自己複製した場合分子の運
動の自由度は0に等しいのでその系の「自由度」は
0になってしまうのでしょうか?

> 伝わるのは全て立体構造でも,その立体構造の中身が違う,その違い,
> (物理的)特徴をどう捉えて自己触媒とか自己複製とか言っているの
> かということです.以前申し上げたように私は自己複製という言葉が
> 嫌い(自己言及なので)ですが,その言葉に対応する物理的特徴は在
> ると思います.間接度は,その特徴を客観的に捉えるための指標の一
> つになると思います.

私は立体構造自体ではなく、立体構造という情報が分
子認識によってどのように伝わるかどうかが重要だと
思っています。いくら複製される構造が複雑でも情報
伝達にその複雑な構造が寄与していなければ結果的に
複製してもそれは自己複製とは違います。逆に構造が
単純でもちゃんとその構造が複製時の情報伝達に関与
していればそれは立派な自己複製系です。(-N(NH2)2
と-COOHのsalt-bridgeだけで分子認識する自己複製系
もあります)飯田さんのおっしゃる「自由度」とは立
体構造自体の構造的な「自由度」を指しているようで
私のイメージしている情報伝達のプロセスを「客観的
」に捉えるのに特に役立つという気はしません。

こういう言い方はまた反感を買うかも知れませんが、
実験屋としては今のところ化学的常識、直感を持って、
情報伝達がある自己複製と、単なる自己触媒系と区別
するのに困る例が無いということで、新たに直感的と
は言えない指標で当たり前だと思っていることを説明
する必要自体をあまり感じないというのが正直なとこ
ろです。実際に困るまで考えないというのもあまり自
慢できることではありませんが・・・

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Yohei Yokobayashi
yohei@***.***

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