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生命の起源 #845 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
845
DATE
08/13/1998 11:06:57 AM
TITLE
[life:00845] Re: [Fwd:
AUTHOR
"Kazuhiro Iida
BODY


中川様 野田様 荒様 生塩様 LIFEの皆様


ご指導ありがとうございます.

1)圧力によるタンパク質の変性に関しては,食品加工関係で文献がある.
2)圧力と温度の複合的効果については情報が少ない.
3)常圧に戻さない本来の高圧条件下での実験は困難で工夫が必要.
ということですね.



生塩さんの本来の質問に戻りますと,

Q.そもそも熱水噴出口とか,海底の岩盤内部とか高温,高圧の条件下
  で,タンパク質やDNAが安定に存在しうるのか?ですが,

A.答えは,そこに実際生物がいるので明らかにYESですね.

YESの理由..なんでか? を考える時,現状では明確な答えは「無し」.

これに答えるには,タンパク質,DNAの高圧条件下での物性を議論する
必要があり,物性屋でない者としては1)2)3)のような状況の下で,
さらなる研究の進展を待つことになるんではないでしょうか.




さらなる疑問としては,高温,高圧に耐える細菌や動物が,そこで生まれ,
進化したのかどうか?より単純な質問としては

Q1.高温高圧下で,長いペプチド(蛋白質)が自然合成されうるか?

もし,生じるとしたとき,

Q2.その長いペプチドは,特異的な立体構造を取りうるか?

でしょう.

完成された生物が進化しながら耐えるようになったのでなく,その場での
自然合成となると,私には,どちらもほとんど可能性が無く思えます.


でも,Kauffmanみたいなことを考えると,オリゴペプチドぐらいのができて
それが,比較的高濃度で常温常圧環境に運ばれることがあれば,
それを出発物質として,長いペプチドができてくる可能性がある
かもしれません.

熱水噴出口付近の条件で,今井先生松野先生がなさったアミノ酸の重合実験
では,たしか最大6量体まで成長したと報告されています.

そんなオリゴペプチドが Kauffman のいうFood Set に成り得ないとも
言えません.(なんていい加減な物言いだろう...^^;)


飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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