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木賀様 LIFEの皆様
こんにちは,
飯田:(それからええと,:)マーカーを設計するというのが良く分からないので
教えて下さい.)
木賀さん:説明不足ですいません。
RNAでも、大腸菌でも、いろいろな遺伝型をもつプールの中から「当たり」を単離
するために何らかの指標が必要です。今回の場合は、マーカーとして、コドンの割り
当てが変化することが菌の生育に有利になるための仕掛けをイメージしてください。
例としては、天然にも存在する、stopコドンにアミノ酸を割り当てる例があり
ます。stopコドンに対応するtRNA(サプレッサーtRNA)を準備します。tRNAの種
類によっては、アンチコドンをstopコドンに対応するように変化させても、アミ
ノアシルtRNA合成酵素(ARS)はそのtRNAを認識してアミノ酸を結合します。
ここで、生育に必須な遺伝子にstopコドンが入る点突然変異を入れた菌を準備
した場合、この菌は適切なサプレッサーtRNAを供給されないと生き残れません。この
しかけで、stopコドンにアミノ酸を割り当てるためのtRNAをセレクションするこ
とができます。
飯田:ええとようするに,
・マーカ− = 菌の生育に必須な遺伝子
・初期処理 マーカーの途中に UGAとかSTOPコードを入れておく,たぶん,
遺伝子相同組み替えでやるんでしょうね.
・サプレッサーtRNA = STOPコドンに対応するアンチコドンを持つにもかかわらず,
ARSが作用してSTOPが入った部分のアミノ酸がくっついてし
まうもの.
・サプレッサーtRNAの選択? 菌のtRNAの遺伝子に突然変異を起こしまくって生き残って
いる菌を釣ってくる.
といった感じの実験ですね?
飯田:
ミトコンを考えますと,あれの中身って,通常の細胞質と異なる化学組成
中略,...
られませんでしょうか?つまり,例えば,pH(単なる思いつき)を変
えることで,コードも揺らぐということはないでしょうか?
木賀:面白い考えです。pH依存性の実験をさせていただくかも知れません。
飯田:素人の単なる思いつきなので,ちゃんと調べてからにして下さいね.
以下どうもありがとうございます.
木賀さん:ARSの水平移動に関しては、
Shiba et al. , Trends in Biochemical Science vol.22, pp 453-457
に良い総説があります。
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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