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生命の起源 #72 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
72
DATE
09/12/1997 04:11:41 AM
TITLE
[life:000072] Re: What is life?
AUTHOR
"飯田一浩" <iida@***.***>
BODY


荒 様

> > 4.その部分系からの物質,熱力学量の出入り禁じた時,
> >     散逸が停止するか?
> >
> > もし,部分系の内部に1次のソースがなければ,出入りを
> > 禁じること(閉鎖系化)することで,系は平衡状態へ向か
> > うことになり,散逸が停止するはずです.もちろん,完全
> > に閉鎖することは困難ですが,近似的に散逸がゼロと見な
> > せれば良い_(IF_ぢ思われます.
>
> 用語説明ですみませんが、散逸とは「非平衡への変化」
> でよろしいのですか?

いいえ,正確な定義は物理がご専門の方にお任せするとして
物質やエネルギーがその系から失われる現象だと認識しており
ます.部分系の境界を通じて物質やエネルギーが拡散流出する
ことも散逸ですし,系内部のエネルギーがエントロピーという
形の使用不能な区分へと逃げてゆくことも散逸です.
(平衡系で書くとU = F + ST,U:全エネルギー,F:自由エネル
ギー,S:エントロピー,T:絶対温度という関係がありますね.
U一定でSが増えるとFが減ります.)


> > 第一に,生命のミニマムなシステム構造は未知であり,
>> それを記述
>
> ミニマムでない各論的システム構造すら未知のものはたくさんありますが、
> いくつかは記述できるものもあり、そのどれは削ってはならないのか?
> というところが難しいところですね。

おっしゃるとうりです.抽象化してゆく作業が不可欠であり,しかも
それを具体的な事例を忘れることなく行うこと,その辺がとても難しく
感じます.
----
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


Takeshi Ara wrote:
>
> 荒@京大農です。
>
> 長くなったのでちょっとメールを分けました。
>
> > ことから、書ける書けないは不毛な議論であるにしても、少なくとも
> > 大枠では微分方程式で書ける性質のものであると考えております。
>
> 私も大筋では可能だと思っています。ただ数学的知識に乏しいのでな
> かなか自分で納得できるまでゆかないだけでして。それとついマクロ
> な(日常的スケールや意識などの問題)ものとオーバーラップして考
> えてしまうのも原因ですが。
>
> > 4.生命は、統計的な現象( の集まり )である
> > といえるのではないでしょうか。
>
> 日常的または観測的立場から考えるとその通りだと思います。生物系の人
> はそのように考えて生物を扱っているようです。
>
> > 4.その部分系からの物質,熱力学量の出入り禁じた時,
> >     散逸が停止するか?
> >
> > もし,部分系の内部に1次のソースがなければ,出入りを
> > 禁じること(閉鎖系化)することで,系は平衡状態へ向か
> > うことになり,散逸が停止するはずです.もちろん,完全
> > に閉鎖することは困難ですが,近似的に散逸がゼロと見な
> > せれば良い_(IF_ぢ思われます.
>
> 用語説明ですみませんが、散逸とは「非平衡への変化」
> でよろしいのですか?
>
> > 第一に,生命のミニマムなシステム構造は未知であり,それを記述
>
> ミニマムでない各論的システム構造すら未知のものはたくさんありますが、
> いくつかは記述できるものもあり、そのどれは削ってはならないのか?
> というところが難しいところですね。
>
> > (余談ですが,これまでに知られている生物で一番小さいものは,
> > mycoplasmaの基本小体で約100ナノメートルの細胞です(ウイルスが
>
> mycoplasmaがでたついでにプラスミドやトランスポゾンは実験的に生命
> 起源をやられている方はどうとらえているのでしょうか?水のみ溶液中では
> 1分子では(そういうことはまあないんですが)崩壊していくだけかもしれま
> せんが。(余談なので別スレッドでもよいですが)
>
> (とても余談ですが,熱力学的ドライブについては
> 欲望から希望が生まれてくるの?
> という歌が応用的な気がします。(飛躍しててすみません)
> 非平衡->欲望->獲得予想->希望->精神的な負担減->余裕増加
> AIの話がちょっとあったので。)
> (この(余談で...)はいい_(IE_ぢすね)
>
> > このスレッドで議論していることに関して,今日次のような
> > 質問がありました.レスがほとんどないことにも関係すると
> (略)
> > 1.のご質問に関しては,ロジックから導かれる(書ける)システム
> >    を書くことであり,
> > 2.のご質問に関しては,科学的,工学的に大きな意義があると考えます.
>
> その方向はあっていると思います。ただ物理的なバックグラウンドがない
> となかなかついていくのは大変だと思います。
>
> >三田 様
> >下記で定義された定義は、一般に想起される代謝系の必要
> >条件かというと疑問を感じます。例えば、以下の定義では、
> >地球も代謝していることになりませんか。もちろん、宇宙
> >生命というような概念では地球も代謝しているのでしょう
> >が、一般に想起される代謝系の概念とは異なりませんか?
> >また、飯田さんが求めているものとも異なると思うのです
>
> 「地球も代謝している」という意味(言葉の使い方のイメージ?)で
> よいと思います。「構成要素が変換されている」という大きな意味
> ?で使われている思います。
>
> >が?(自分は、生命の起源を考えると生物ではなく宇宙生
> >命といったものが哲学的だけではなく科学的にも存在する
> >ような気がしてきてはいますが。)
>
> これはまたかなり難しい問題で、少なくともこの議論ではとり
> あえずあとにおいておくべきものだと思います。最終的にそう
> いう概念について考えることはできるかもしれません。
>
> >2)所与の系が代謝系であることの検証方法:
>
> 学会で1週間ほどぬけるのでまたその後でレスさせてもらいます。
>
> それでは。
>
> --------------------------------------------
> 荒 武 (Takeshi Ara)
> 京都大学 農学研究科 農芸化w専攻 植物栄養学研究室
> Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
> e-Mail : ara@***.***
> --------------------------------------------

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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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