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荒様 LIFEの皆様
> 飯田さん:
> >石川先生の本の記述では,ミトコンドリアのtRNAは
> >ミトコンドリア内部のDNAが転写されてできるそうです.
> >rRNAも同じく.
>
荒さん:> 説明不足でした。ミトコンドリアのtRNAは例えばゼニゴケ(その他で
もい
> ろいろあるらしい)では全セットがミトコンドリアDNAにはなく(使わ
> れていないだけかも)、一部核コードのtRNAが運ばれてきて使われている
> そうです。このtRNAはもともとミトコンドリアにあったそのコドンのtRNA
> が欠損(または機能欠損)+核コードのtRNAが使われるようになった説、
> このtRNAはもともとミトコンドリアにあったtRNAが核にその住み家を変
> えた説(このことです。京大農学部の大山先生がやっています。)などが
> あります。こうした核から来るtRNAとよく似たtRNAの偽遺伝子がミトコ
> ンドリアDNA上にあるとかいう話で、そこからあとはちょっとよく覚え
> ていません。
飯田:
tRNAの偽遺伝子の話しですが,これは,核からの遺伝子がミトコンドリアに
組み込まれたと考えるべきなんでしょうか?
なんだか,核とオルガネラ,オルガネラ同士で,結構ドラマチックな
遺伝子の交換があるので,どちらが先,どちらに由来というのを
考えるのも,何か,配列に「時計」でもついていないと,混乱して
しまいそうです.
ちなみに,その後,ミトコンドリアの全遺伝子が核に移行している例
や,トウモロコシ(maize)で12kbもの遺伝子配列が,ミトコンドリアと
葉緑体のゲノムで共通である例が報告されているそうです.
{Stern, D.B. and Lonsdale (1982) `` Mitochondrial and chloroplast
genomes of maize have a 12-kilobase DNA sequence in common,
{it Nature} {f 299}:698-702.}
# 核から蛋白質がオルガネラの中に入る機序は,よく書いてありますが
# 核への移動機序について書いてある本にはまだ出くわしていません.
以下,ありがとうございます.
>飯田: >ポゾンの配列は,インサイツハイブリダイゼーションか何かで検出
> >するんでしょうか?
>
> 原理的にはできると思うのですが...でもそれで距離を測るわけにはいかない
> でしょう、たぶん。ポゾンに細工をして、なにかのレアな制限酵素サイトで
> もいくつかつけてゲノムDNAを切ってその長さからうまく見れるんじゃない
> かと思います。でもうろおぼえなのではっきりしたことが分かったら上の話と
> いっしょにまたまとめてアップします。
>
> >「前後」というのは,染色体への挿入部位から3’端へ向かう半分へ,5’端
> >へ向かう半分への移動という意味でしょうか?
>
> そうです。
>
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"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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