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生命の起源 #665 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
665
DATE
04/20/1998 09:19:09 AM
TITLE
[life:000665] Re: Endsymbionts hypothesis
AUTHOR
"M.MAEDA" <mmaeda@***.*** No>
BODY


前田@生物研です。

とにかく私の知識は約10年前の教科書を前提とした私の理解ですので、最新の
ことをご存じの方はびしばし訂正を入れてくださると助かります。

>で,間接的とはそうじゃない免疫反応をイメージして記述したものです.
>例えば,遺伝子がキラーT細胞にいきなり侵入するとか,

キラーT細胞は単にある外来異物を食べてしまうというだけの機能ですね。これ
が外来異物かどうかを認識するときに抗体がからんでくるのではなかったでしょ
うか? つまり抗体(たいていはIgG)がくっついた異物を抗体ごととりこんで
これを分解するのじゃなかった???
#だんだん記憶がかなりあやしくなってきました。(^^;)

つまるところ何を言いたかったかというと、T細胞自体は異物を食べるという機
能しかないので、その細胞にいくら何かが侵入しても根本的には問題ないだろう
ということです。

>胸腺細胞に
>とりつくとかいうものです.胸腺が変化してしまったら,免疫系の
>自己認識システムも必然的に変化しますよね.そうすると,抗体の
>濃度分布も変化するはずで,上述の侵入遺伝子に対応する抗体が存在する
>ようになっているかもしれません.

私の解釈はちょっと違っていて、胸腺細胞に遺伝子が侵入する前に何らかの機構
で排除されるのではないだろうかと思います。外来物質が体内のある細胞に到達
するまでには何段階かのバリアが存在します。まず、外皮細胞。何らかの損傷が
ない限りこのバリアは結構強力です。次に一群の液性免疫系。ここで異物とみな
された場合は排除される可能性が大です。このようなバリアをクリアした場合に
なおかつ他の細胞を含めた体細胞の中で胸腺細胞に到達する割合を考えるとほと
んど無きに等しいくらいの確率になるような気がします。

異物とみなされた場合と書いたのは、DNAは基本的に生体内物質ですから、そ
の分子が特定の立体構造をとっていない限り異物と認識されるのかどうかという
疑問を感じたからです。

>あの,ちょっとお聞きしたいのですが,幹細胞以外の免疫細胞は分化しないの
>でしょうか? 

多分そうだったと思います。免疫系に限らず、おそらくは生体内の細胞はどれも
まず幹細胞があり、それが分化することによって特定の役割を果たす細胞として
機能しているのだったと思います。特別の働きをする細胞は、通常それ以上変化
することはないでしょう。

>もし,そうだとしいら,ある細胞の外来異物の経験は,
>どのようにしてフィードバックされるのでしょう?

以前のメールにもちょっと書きましたが、

 抗原が生体内に入る−>抗体産生細胞ができる−>抗体が産生される

というのが抗体産生のプロセスだと仮定すると、第1段階と第2段階の間に特
定の抗体を産生する細胞の母細胞ができるという段階が入り、この母細胞があ
るということによって次に抗原にさらされた時にすぐに反応できるということ
なのではないでしょうか。
#これはあくまでも私の理解ですので間違っていたらすみません。

>フィードバックされる先は,
>胸腺あたりではないかと思いますが,そのへんのダイナミクスも興味深い
>ですね.

書いていてだんだん知識が不明瞭なところを感じ始めましたので、帰って昔の
教科書を探してみることにします。m(_ _)m


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MAEDA Miki
o(>_<)o mmaeda@***.***

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