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生命の起源 #642 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
642
DATE
04/09/1998 01:55:12 AM
TITLE
[life:000642] Re: Endsymbionts hypothesis
AUTHOR
"Kenichi Matsuura 松浦賢一 JTS研究部" <matsuura@***.***>
BODY


松浦@JTS研究部です.

On Tue, 07 Apr 1998 18:09:39 +0900
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***> wrote:
> 外来の遺伝子が,免疫担当細胞へと移動して免疫が獲得されるという事例は存
> じません.免疫能は,ホスト側の細胞の遺伝子で賄われます.液性免疫の場合,
> 具体的には,抗体の可変領域の遺伝子が体細胞組み替えを起こして生じたバラ
> エティーが,外界からの抗原とヘルパーT細胞の関与によって選択的に増殖す
> ることで,その抗原に対するB細胞クローンが増加,B細胞が形質細胞化して
> その抗原に対する抗体を生産,という経過で免疫能が発揮されます.

抗原提示のプロセスは考えなくていいのですか? マクロファージや樹状細胞は
けっこう重要な役割をしていると思うのですが.

で,私が最も興味を持っているのは,免疫反応の大きさと時間です.2度同じ
抗原に遭遇したような場合,1度目と2度目では反応の大きさもそれに
かかる時間も違います.ということは,1度目の反応の時点で免疫系内における
何かが変化しているはずで,それはいったい何なのか? というこです.

で,それを私は抗原提示の段階で,何らかの変化が起こるのではないかと
思っていたわけです.

> 松浦さんがおっしゃるように,外来性の遺伝子が細胞内に入った場合ですと,
> 多くは即座に分解あるいは不活化されます.しかし一部,ホスト細胞の核内遺
> 伝子に入り込むことがあり,その現象が,遺伝子治療に使われています.(こ
> れに似たことが,細胞内共生でも起こったかもしれません)しかし,この場合
> でも遺伝子は,その遺伝子に対する免疫を獲得させるものではなく,能動免疫,
> あるいは上の意味での獲得免疫では細胞膜を介した遺伝子の動きはありません.

直接的には,進入してきた遺伝子に対する免疫を獲得できないのかも
しれませんが,間接的にはどうでしょう?

それと,ウィルスが様々な経路で感染を繰り返しながら,感染した細胞の
遺伝子を媒介しているという話も聞いたことがあります.生体を構成する細胞に
おいては,ほとんど遺伝子の変化は起きないのかもしれませんが,外来の
異物と頻繁に接触する免疫細胞においては,遺伝子の変化がおきてもおかしく
ないと思うのですが.

□■ 松浦 賢一 (株) ジャパンテクニカルソフトウェア 研究部
■□ matsuura@***.*** Research Department, JTS Co., Ltd.



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