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生命の起源 #630 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
630
DATE
04/01/1998 11:29:25 AM
TITLE
[life:000630] Re: What is life?
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


千葉様 小野様 LIFEの皆様

>>小野さん:その部分系がダイナミクスの中で持っている「まとまりの強
さ」
>>のようなものを見ようとしたら、どんな量を調べたらいいのでしょう?
>>
>>部分系を特徴づけるものには、まわりとの状態量の差異だけでなく、
>>「内部」での相互作用を強め、「外部」との相互作用を制限するような、

>>影響の強さの差異も重要だと考えられます。
>>(千葉さんが「情報の伝達方法」と言っているものとたぶん同じ話です)
千葉さん:
系のダイナミクスを議論する時,その構成要素間の相互作用を無視
することはできないと思いますし,むしろそれを中心に考えるのも
一つの方法だと思います.

飯田:
相互作用で「まとまって」階層ができる..といった議論をする際,問題は,
そのダイナミクスが既知なことです.例えば,シミュレーションをする時,
予め系の振る舞いを全て書く必要があります.系の構造はここで全て決まっ
ているわけで,系の構造としては何も新しいものは生まれないし,階層云々は,
それに予め織り込まれている必要があります.

こうした問題は,次のように解消されると考えております.
全体系のダイナミクスが既知で不変でも,特定の条件,例えば境界条件や
物理的なクライテリアを満たす「部分系」には全体の構造と異なるシステム
構造が「検出」されうること,それが「まとまり」を産み出す構造に成って
おり,ひいては,階層として区別され得ます.

それらの条件を満たす部分は,全体系の方程式を特定の拘束条件の元で解いた
ような格好になっていて,もとの方程式を満たしながらも,「特別な性質」を
持つシステム構造となっているはずです.いきなり「まとまり」を生じるよう
なダイナミクスを全体系の方程式として与えるよりも,特定の条件のもとで(
自発的に)検出されてくる部分系の構造を解析する方法を考える方が面白いと
いうのが,当方の考えです.

千葉さん:
で,「まとまりの強さ」というのは,小野さんが仰られているよう
に相互作用の影響の強さとして考えることができるのだと思います.
その強さの差異が安定した時,「情報の伝達方法」が確立し,部分
系を一つの単位として階層に位置付けられるのだと思います.
  中略..
様々なモデルが考えられるのでしょうが,おそらく,階層を移行す
る過程で,局面に応じて適切なモデル(やその融合)に基づく差異
が形成されていくのではないかと思います.
で,この局面に応じるというメカニズムは何なのかということに興
味がございます.

飯田:
相互作用の強さの差異が安定するというイメージに興味があります.
もう少しだけ,教えていただけませんか?嬉しく存じます.


飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.




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