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生命の起源 #476 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
476
DATE
01/08/1998 05:09:10 AM
TITLE
[life:000476] Re: Marine Origins
AUTHOR
"MIYAKE, Hiromichi 三宅 啓道 東京工業大学" <miyake@***.***>
BODY


こんにちは、三宅です。

To: "LIFE, Origins and Evolution" <life@***.***>
From: "Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所"<iida@***.***>
Subject: [LIFE - No.00463] Re: Marine Origins
Date: Wed, 07 Jan 1998 09:56:28 +0900

> 工学的に理解するのに適当な本としては,
> {Israelachvili, {it Intermolecular and Surface Forces}, second edition,
> Academic Press, London, 1992.}
> はいかがでしょうか.

ありがとうございます。

To: "LIFE, Origins and Evolution" <life@***.***>
From: mmaeda@***.*** (Miki MAEDA)
Subject: [LIFE - No.00469] Re: Marine Origins
Date: Wed, 07 Jan 1998 11:30:03 +0900

> 生化学的に見ると、細胞になった時点が最もブレイクスルーのあったところで
> それから多細胞生物として組織化されるようになったのは(比較の問題ですが)
> それほどすごいことでもないんじゃないかと思います。

つまり、物質の寄せ集めからある機能を実現する最小のシステムになったその
ギャップ、という意味をおっしゃっているのでしょうか。そういう意味では、
細胞の寄せ集めでしかない状態から、より高度な機能を実現する多細胞生物と
のギャップも結局同じなのではないかなどと考えています。最初のギャップは
物理化学的なメカニズムが支配しているとすると、後者のほうは情報数理的な
メカニズムが支配しているのかもしれません。

> えっと、これは私の私見として聞いていただきたいのですが、生物が本当に最
> 適な解なのでしょうか? もしかしたらローカルミニマムにたどり着く前のあ
> る段階に過ぎないことはないでしょうか? 生物学を論じる人々と話していて

全くおっしゃるとうりだと思います。これは、「生物学を論じる人々」だけで
はなく、情報科学やAIをやっている方々も同じような偏見(?)を持っている
ような気がします。たぶん、自然界のメカニズムはただ1つの種が厳密最適解
を獲得することを目指しているのではなく、種全体、個体全体の平均として最
適性を高める、もしくは保存維持するように働いているのかもしれないなどと
考えています。あくまでコンピュータ上のシュミレーションから得た経験にし
か過ぎないのですが、ある世代に驚異的な最適解を手に入れても、次世代には
交配によって必ずその最適性を失う(そのかわり、その最適性はまわりまわっ
て世代全体として保存されているのかも知れませんが)ことは避けられないわ
けで、上のように想像している訳です。ただ、簡単なシュミレーションでしか
ありませんが、遺伝的アルゴリズムのモデルでは Population 全体として階段
上にその適性の平均が増していくことは最近の論文で論じられているところで
す。つまりブレークスルーが間欠的に適性を押し上げていくわけです。そうい
う意味では常に最適な解へ(そして適性を失うことへ)の道程にあるといって
もいいのかもしれません。

> Cross Over と Mutation というのは交差と部分的な変異と指しているのでし
> ょうか? もしそうなら、他にも重複、欠損、フレームシフトなどもあるとい
> うことだけ指摘しておきたいと思います。この辺は生化学、遺伝学の教科書に
> 載っていると思います。

生物学の見識が無いのがバレバレですね。実際ほとんど何もないことを告白致
します。ただ、ここに挙げられている変換メカニズムも組合せ的なものと解釈
してもよいのでしょうか。そうするとやはり、自然界でも遺伝子の組合せ変換
だけで膨大な解空間を探索していることになるのですね。

> 系で最初の点をどこにとるかによって落ち着くところが変わるように。それは
> もしかしたら地球の表面がC,H,Oを多く含んでいたときに決定されたのかも知
> れませんね。

ということは、別の原子でも条件が揃えば生命の Device ができるということ
でしょうか(少し深読みかなぁ)。とすると生命というシステムは Hardware
に依存しない Software ということになるのかな。

To: "LIFE, Origins and Evolution" <life@***.***>
From: "Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所"<iida@***.***>
Subject: [LIFE - No.00471] Re: Marine Origins
Date: Wed, 07 Jan 1998 16:02:58 +0900

> 飯田:
> おそらく,三宅さんはご経験済みとは存じますが,交叉や突然変異の効果を
> 納得するには,ご自分でGAのソフトを書いてみられるのが,手っ取り早い

そのとうりですね。実際僕もやってみる前と後では実感が違いました。

> 解析している人たちの研究成果が参考になります.もう古いかもしれませんが
> {Foundations of Genetic Algorithms, Gregory J.E. Rawlins ed.,
> Morgan Kaufmann, San Mateo, 1991.}
> なんかは工学的に理解するのに良いかもしれません.

有名な本ですね。

> 集団遺伝学で説明したものとしては,木村資生先生の中立進化説の本
> {The Neutral Theory of Molecular Evolution, Motoo Kimra, Cambridge
> University Press, 1983.}
> や,Gillespieの
> {The Causes of Molecular Evolution, John H. Gillespie, Oxford
> University Press, 1991.}
> が良いかと存じます.

これは大変参考になるかも知れません。ありがとうございます。

> もう一つの謎は,環境と
> さらにもう一つの大きな謎は,交叉といったメカニズムがどう獲得されたのか?

交叉といったメカニズムが高い適性の生物を可能にしたのはいいとして、そも
そもなぜ交叉といったメカニズムでありえて他の可能だったかもしれないメカ
ニズムではあり得なかったのか、ということでしょうか。

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Name : MIYAKE, Hiromichi
Tokyo Inst. of Tech.
Dept. of Mathematical and Computing Science
E-mail: miyake@***.***


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