| | | |
|
|
ID |
|
|
|
|
DATE |
|
|
|
|
TITLE |
|
| [life:001253] Re: What is life? : There is no life, but organism. |
|
|
|
AUTHOR |
|
| Kazuhiro Iida <piyopiyo@***.***> |
|
|
|
BODY |
|
|
|
|
三田様 lifeの皆様
> すみません、後者の例はよくわかるのですが、「物理的境界がある」が、なぜ・ど
> の> ように考えると「恒常性を維持するよ
> うに見える」に含まれる形になるのでしょうか。
飯田： まず率直にお答えして，次に補足させていただきます．
「物理的境界がある」は，
マルコフ的であり（系の遷移がその系自体の状態に依存する部分が多く），
近傍と異なる分布を生じており，
それが持続し，
離散的な分布であり，
その分布が鋭く，
物質の移動が制限され，
極めて安定である．
と分解でき，
「恒常を維持するように見える」は，
マルコフ的であり，
近傍と異なる分布を生じており，
小さな擾乱に対して安定である．
と分解できます．
小項目を比較していただくと，
「恒常性を維持するように見える」の小項目は，全て
「物理的境界がある」の小項目に含まれ，
「物理的境界がある」の方が小項目の数が多くなっています．
これをもって，包含されていると判断します．
補足させていただきますと，
生物の「性質」を一言で「物理的境界がある」とか，
「恒常性を維持するように見える」と表現しても，その
具体的な中身を誤り無く伝え，評価していただくのには
不十分なケースがほとんどで，上記のように，小項目に
分解し，さらに必要な場合，小項目をさらに複数の項目に
分解する必要があると思われます．
ほとんどのケースで，小項目にまで分解すると，個々の項目
が，条件式にまで翻訳できるようになりますので，さらに
その小項目の意味，ひいては「性質」の意味を客観的に評価
していただけるようになります．
（例えば，小項目：物質の移動が制限され，は
Σ_{x} | j_{x} | < δ ｘは，物質の種類，δは閾値
と翻訳します．）
そのため，’「性質１」は「性質２」に含まれているので’，
と書く場合は，各性質を分解し，条件式に翻訳したものを
表にまとめておいて，’詳しくは「表１参照」’といった具合に
補足する必要があります．
各「性質」の拾い上げ方や，小項目への分解の仕方，
小項目の翻訳の仕方には，個々人の自由度があります．
それで，当面，個人の主観を強く反映した物質進化の
ストーリーが描かれると思いますが，
各人が主張している個々の性質，より細かな性質が
明示され，包含順序が正しく評価されていれば，そのうち妥当な
ストーリーが見えてくると気長に考えております．
ＡさんとＢさん指摘している性質の内容が一致しているか，さらに
細分することで一致点が見つかるなら，Ａさんが指摘した性質Ａを，
Bさんが先に決めた順序Ｂ→Ｃの間に割り込ませてＢ→Ａ→Ｃと，
さらに詳しい順序にすることも可能でしょう．Ａさんは，中間的な性質
を明示することで，Ｂ→Ｃという大きなジャンプが実現された具体的
経路を，たくさんの可能性の中からを絞り込んだと言えます．
そういう批評や協力，止揚の過程が妥当な経路を描くのに必要だと
思っております．
三田さんのご質問に答えさせていただいたつもりなのですが，
不明な点さらにご指摘下さい．
飯田 拝
----- |
|
|
|
