動物の防災


災害は動物にもふりかかります。
日頃から家庭動物の防災も考えておきましょう。



1)安全な飼育場所

まず、動物の飼育場所を点検しましょう。

外飼いの動物の場合

次のような危険はありませんか?

・風で飛んで来る物
・倒れやすいブロック塀
・洪水で溺れる可能性
(2000年の愛知水害では、外飼いの動物をつないだまま放置したため、 多くの動物が溺れ死んだという報告があります。水害の恐れがある時 は、動物も早めに移動しましょう。)




室内飼いの場合

動物の寝床の周りに、こんなものはありませんか?

・倒れるかもしれないタンス
・落ちるかもしれない棚や照明
・割れるかもしれないガラス器具
(動物は裸足です。割れたガラスの上を歩くと危険です。)
・灯油やガソリンなど良く燃えるもの
・床に落ちて食べてしまう危険のある小物、タバコなど




2)水・フード・薬の備蓄

少なくとも1週間分を備蓄しましょう。

○水

水は、ポリタンクやペットボトルなど割れない容器に備蓄します。

犬や猫の場合、体重1キロあたり1日に約100ミリリットル。
体重10キロの犬なら1日1リットル、7日で7リットル必要です。 その子の体調や気候に応じて増減して下さい。

水道水を備蓄する場合、1〜2ヶ月に一回は交換しましょう。


○フード

フードは、日頃与えている袋が半分になったら、次の袋を購入しておくように すると新鮮な状態で備蓄できます。

フードも水も、持ち運べるようにバスケットなどに入れて置くと良いでしょう。


○薬

持病のある動物は、薬や処方食の備蓄も必要です。かかりつけの動物病院に 相談しておきましょう。





3)避難の心得

○事前の確認が大事です

いざ避難という時、
動物を避難場所までつれて行けますか?
自宅で飼いつづけられますか?
それとも知人に預けますか?

予め飼い主さんの事情に合わせて検討しておきましょう。

避難場所へ連れて行ける場合でも、動物と一緒に寝起きするのは 困難が予想されます。 新潟地震の際のように避難所の近くにテントを張り、 ケージを置いて飼育することになるかもしれませんし、 自宅付近につないでおいて 避難所から通うことになるかもしれません。 避難所から遠く離れた場所に動物だけ収容される場合もあり得ます。


○グッズを揃えましょう

避難所へ連れて行けない場合でも、だからといって動物を放すのは問題です。 移動した先で飼うために必要な最低限のアイテムは、必ず揃えておきましょう。

水や食料以外に、ケージ、もしくは係留用の杭、ハーネスやリード、 排泄物を処理する袋などが必要です。

また不幸にして、動物と生き別れになってしまう場合も考えて、 首輪やハーネスに、その子の名前、飼い主さんの連絡先を書いた名札を付けておきましょう。



名札の代わりに、マイクロチップをインプラントしておくことも一つの手段です。

マイクロチップは、棒状でとても小さく、動物の皮膚の下に注射して使います。 名札のように外れることが少なく、半永久的に使えます。
(拡大図)

チップには、その動物に固有の番号が記録されていて、下の装置を動物に近づけるだけで 読みとることができます。読みとった番号を登録機関に問い合わせると、 その子の名前や飼い主さんの連絡先がわかります。




○感染流行に備えましょう

災害の後には、感染症の流行という恐怖が待っています。

環境の急変は、動物の免疫力を低下させ感染の危険を増します。 また、動物の避難場所には、多数の動物が集まるため感染している動物と接触する 可能性が高まります。

毎年のワクチン接種で感染を予防しましょう。



4)☆ 一時預け先

避難所や、被災した自宅では長期にわたって飼育するのは困難です。 避難生活が長引く場合も考えて、一時預け先を検討しておきましょう。

災害時は、ペットホテルや動物病院はすぐに一杯になります。

親戚、友人、知人と相談して災害時の互助関係をつくっておくのが良いでしょう。

避難生活が長期にわたる場合、自治体が動物だけ別の場所に収容する場合があります。 飼い主が分からなくなってしまう可能性も高まります。そのような場合も考えて、 是非、一時預け先を確保しておきましょう。



5)救急用品



動物のケガの手当には、人間用の外用薬(イソジン、逆性石けん)や包帯、ガーゼなどが使えます。
その他、毛布やタオルを余分に用意しておくと動物にも使えて便利です。




人間用の内服薬は危険です。動物にとっては毒になる薬、人間と用量が全く違う薬がほとんどです。 不用意に人間用の内服薬をあげないようにしましょう。 ストレスに弱く下痢しやすい動物など、避難生活で体調をこわすことが予想される場合は、 動物病院にご相談下さい。



参考図書・サイト

○ 「犬と猫のための災害サバイバル」香取章子(株)学研、2002年

ペット防災NPO法人「ANICE」




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