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生命の起源 #993 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
993
DATE
02/17/1999 10:25:34 AM
TITLE
[life:00993] Re: Informaion in replication: Selection
AUTHOR
Masayuki HIRAFUJI <hirafuji@***.***>
BODY


農研センターの平藤です。
生化学系のややこしい話はあまり得意ではないので,以下は単なる感想です。

Kazuhiro Iida-san wrote:
>で,伝達される情報の複雑度を示す簡単な指標が必要.例えば,情報の間接度
>といった物差しはどうかということになってました.

「間接度」は反応時の下流からの反作用を減らすための機構(物理的な相互作用
を非対称にする)の強さとして,非常におもしろい指標だと思います。システム
論的には,間接度を上げるのはコストアップに繋がるため,「なぜわざわざ間接
度を上げているのか?」は重要な要素です。



>とりあえずの(不十分な)たたき台としては,
>選択前の物質分布ρと選択後の物質分布ρ'の相対エントロピーでしょうか.
>-∑ ρ' ln ρ'/ρ が大きければ,分布になんか違いがあることがわかりま
>す.

情報理論的には情報量の変化分(相互情報量)の方が直感的に理解しやすい指標
です。物質分布の情報量を定義するには,全物質の総量を1に規格化した濃度を
確率と見なせば良さそうです。しかし,1分子のDNAからの情報の流れを追うには
濃度のようなマクロな量が使えません。分子機械と分子機械の間のアナログ的な
会話(量子論的相互作用)を情報量としてどう表現するか? なかなか奥が深そ
うな問題で,しばらくはまってしまいそうです。
下流のマクロな世界なら情報理論的な指標は適用できます。例えば,昔,粘菌の
内部の複雑な運動パターンを相互情報量の変化として可視化した研究がありまし
た(まだやっているかな?)。



Masayuki HIRAFUJI (hirafuji@***.***)
Computational Modeling Lab.(http://model.narc.affrc.go.jp/)
NARC Tukuba 305-8666 Japan
Phone:+81-298-38-8986 FAX:+81-298-38-8551
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