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自己複製実験の議論のつづき「情報」について．
前回までの横林さんとの議論で，自己複製では情報が伝達される．伝達される
情報とは，横林さんの意見では，分子認識を伴う立体構造が情報である．それ
をうけて飯田の意見では，その定義では自己触媒との境界が連続的で曖昧なの
で，伝達される情報の複雑度を示す簡単な指標が必要．例えば，情報の間接度
といった物差しはどうかということになってました．
さて立体構造から離れて，情報とは，選択の結果であるという視点が伏見先生
から提出されていることをお知らせしました．この視点は，物質の進化にも自
然選択機構が働いていることを意識された定義ですが，情報＝「選択の結果」
という定義もまた非常に曖昧で，伝達される情報を定量的に示すことが難しい
ように思えます．これを定量的に記述するのは面白いと思います．
とりあえずの（不十分な）たたき台としては，
選択前の物質分布ρと選択後の物質分布ρ'の相対エントロピーでしょうか．
-∑ ρ' ln ρ'/ρ が大きければ，分布になんか違いがあることがわかりま
す．
ご意見下さい．
飯田＠ＮＥＣ基礎研究所
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