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古瀬様 LIFEの皆様
おはようございます.炭素の12番と13番について同じく専門外ながら原子核
に詳しい某教授とこんな「雑談」しています.どうなんでしょね? :)
1.選択の分子機構について
リブロース2燐酸カルボキシラーゼ分子の極く近傍での拡散の差,分子振動が原
因ではないか?
上で言う拡散の差とは,巨大分子である酵素の表面で,それに比べて小さいCO2
分子が反応中心に到達するまでの微視的運動に,12番と13番に差があり,お
そらく13番の方が到達に時間がかかるのでは.
反応中心もCO2分子も熱振動してますが,結合にちょうど良い振動周期があっ
て,それが原因で13番が結合する確率が下がっている可能性もある.
2.進化的優位性について
13番を排除することによる進化的優位性は,いまのところ考えつかない.仮説
としては,どの酵素も上のようなまったく物理的な理由で13番を結合しにくい
のではないかと考える.
3.生命痕跡とする根拠について疑問.
同位体比も生成消滅過程にあり,他の核種からの供給がある.13番は宇宙線に
ふくまれる中性子との反応によって大気上層から供給されるので,太陽の活動状
態などによって,年代に応じて同位体比が変化する可能性がある.痕跡を検出す
る基準となる岩石があるようだが,この岩石が得られた年代と,イスアの岩石の
年代は一致しているのだろうか?
飯田@NEC基礎研究所
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Kazuhiro Iida, "Life and Evolution '99 --> "
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
Phone +81(298)50-1142, Facsimile +81(298)56-6136.
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