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生命の起源 #976 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
976
DATE
01/12/1999 10:18:24 PM
TITLE
[life:00976] Re: selfreplication - Calvin Cycle
AUTHOR
Yohei Yokobayashi <yohei@***.***>
BODY


横林です。

On Wed, 13 Jan 1999 12:20:03 +0900
Kazuhiro Iida <iidakek@***.***> wrote:

> 横林さん:> 恥ずかしながら、ちゃんとした生化学の講義も受けた
> > ことがないので勘違いしていたらご指摘いただきたい
> > のですが、カルビンサイクルではRuBP(ribulose
> > biphosphate)は化学量論的に増えても減ってもいませ
> > んのでなぜこれが自己複製と呼べるのか理解できませ
> > ん。
>
> 飯田:
> 1.判定理由について
> 私も自己複製ではないと思います.理由は,リブロースジ燐酸(リブ)
> の立体構造が運ぶ情報の間接度を0と判定するからです.
>
> ところがこの反応,酵素による分子認識が必要ですし,立体構造の伝達
> もありますし,最初の分子が存在することでその分子が合成されます.
> これは横林さんのおっしゃる定義に非常に近いと思います.:)

その意味では私はRuBPの構造情報が伝達されている(結果的に
RuBPを再生産している)ことになると思います。飯田さんのお
っしゃる「間接度」が0と判定される(まだこの判定の基準が
よく理解できませんが)ので情報伝達はないとお考えになるの
であれば、その点ははっきりと意見が分かれるところだと思い
ます。

> 2.リブロースジ燐酸の増減について
>
> (ちょっとドキッとしてしまった私 :)
>
> 私の理解では,一言でいえば,カルビンサイクルの式は定量関係式で
> 反応式とは違います.いってみれば定常状態(合成と消費が釣り合った
> 状態)を表す式です.
>
> 6分子のリブが同時にある酵素に結合するような反応があり得るでしょう
> か.:)
> (例えば,リブは光呼吸でカルビンサイクルが回っている間も常にCO2に分解
> されています.だからといってリブがどんどん減って無くなることは
> ありません.)


> 例えば,a + b -> a + e という「反応式」では [a]は時間的に不変ですが,
> a + b -> a + e という定常状態の定量関係では[a]は時間的に変化します.

タイプミスでしょうか?よく意味がわからないのですが。

> 定常状態としての理解:
> 合成量に注目して下さい.盛んに合成されていても盛んに消費されている
> 状態では増減が見えません.

まず、複製というからには増えなければ意味がありません。

反応の前後で増減が無いが、反応を促進する分子を化学では
「触媒」と言います。この場合のRuBPは派手に共有結合を切
ったりくっつけたりしていますが、結果的にはCO2の固定化の
触媒(の一つ)であると言ってもよいと思います。(原子レ
ベルでみるともとのRuBPの炭素原子がサイクルのあとの炭素
原子とはかならずしも一致しないので厳密な触媒とは言えな
いと思いますが)

> もっと簡単な理解:
> 分裂したての細胞が持っているリブの量と成長分化した細胞が持っている
> リブの量は同じでしょうか?後者が多いとしたらなぜでしょう?

これは違うと思います。細胞分裂の際にはRuBPの生合成や
カルビンサイクルに関係するするたんぱく質の遺伝子ごと
複製されているわけで、決してカルビンサイクルが自己複
製してもう一つのカルビンサイクルが分裂後の細胞に出現
したわけではありません。そうでなければ細胞内物質はす
べて自己複製分子になってしまいます。

以上まとめると、カルビンサイクルにおいてRuBPの立体構
造は各ステップで分子認識されて、情報伝達も起こってい
るが、化学量論的に見て自己複製系とはよべないというこ
とになります。

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Yohei Yokobayashi
yohei@***.***

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