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生命の起源 #971 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
971
DATE
01/11/1999 10:54:52 AM
TITLE
[life:00971] selfreplication
AUTHOR
Kazuhiro Iida <iida@***.***>
BODY


横林さん LIFEの皆様

筑波はお天気ですが水道が凍って困ってます.:)

そちらは,いかがお過ごしでしょうか.


横林さん:
ここでいう情報とは分子構造を指します。
以上は私の自己複製、自己触媒、情報の定義です。
情報(=分子構造)の伝達と情報(=分子構造)の複製
は結果的に同じ現象(同じ分子構造が自己触媒的に増殖
する)を伴っても質的に異なると考えます。情報伝達に
おいては分子認識が絶対不可欠で分子認識がないものは
自己複製系とは考えない、というのが私の考えです。
飯田さんは私の分子認識の定義が曖昧だとおっしゃりた
いのだと思いますが、
(横林)中略...
以上のように、分子認識の程度はゼロから無限大?ま
で連続的な分布がありえるのでそれを曖昧だといわれ
たらそのとおりですが、最初の議論の対象である分子
レベルでの自己複製系を考えた場合、オゾンやプリオ
ンの例を含め、これで判断に苦しむケースはほとんど
見かけません。具体的な例があったら示していただき
たいです。

飯田:
1.分子認識について

私も分子認識という概念は連続的だと思います.


2.情報について

情報=立体構造とすれば,分子認識と同様に立体構造も同じく
連続的なので,分子認識もしくは立体構造情報に基づいて,
自己複製を区別するには,何か他の指標,例えば「複雑さ」
とかを組み合わせる必要があると書きました. :)

3.具体例について

例えば,先に挙げたカルビンサイクルの例では,入り口のリブロ
ース1,5ジ燐酸)も酵素に触媒されて増えるわけですが,これ
自己複製でしょうか?


横林さん:
飯田さんのおっしゃる間接度というのもいまいち理解
できません。ペプチドの自己複製系は単なるテンプレ
ート効果によるproximity effectなので立体構造と触
媒機能が不可分ですが、そうなるとオゾンと同類に分
類されるのでしょうか?

飯田:
オゾンの例を間接度=0とすれば,横林さんのペプチドは
違う種類のペプチドのつながり方という自由度がありますから
間接度=1,オゾンの例とは違うとおもいます.

横林さん:
ということですが「自由度」も具体的に何をさしてい
るのかわかりません。

飯田:
厳密には,コピーされる分子を構成する各原子の運動の自由度を
全て数えて足した値で良いと思いますが,もっと大ざっぱに数え
ても判定に矛盾を生じない数え方があると思います.

例えばモノマーの残基数を一つの自由度,並び方を一つの自由度
という風に数えるなら,”酸素ラジカル(コピーされるもの)−
オゾン(基質)”の場合,酸素ラジカルには並び方の自由度が無
いことが明らかです.




伝わるのは全て立体構造でも,その立体構造の中身が違う,その違い,
(物理的)特徴をどう捉えて自己触媒とか自己複製とか言っているの
かということです.以前申し上げたように私は自己複製という言葉が
嫌い(自己言及なので)ですが,その言葉に対応する物理的特徴は在
ると思います.間接度は,その特徴を客観的に捉えるための指標の一
つになると思います.


飯田@NEC基礎研究所
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Kazuhiro Iida, "Life and Evolution '99 --> "
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
Phone +81(298)50-1142, Facsimile +81(298)56-6136.
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