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生命の起源 #970 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
970
DATE
01/07/1999 08:58:08 PM
TITLE
[life:00970] Re: Nature article: Hypercycles, BIF
AUTHOR
Yohei Yokobayashi <yohei@***.***>
BODY


横林です。

On Fri, 08 Jan 1999 12:03:02 +0900
Kazuhiro Iida <iidakek@***.***> wrote:

> ここまで来て横林さんと飯田で同意されていることは,
> 自己複製ではいわゆる自己触媒とは「異なる情報」の伝達があること
> だけです.この違いをもう少し掘ってみませんか?

「異なる情報」ではなく自己複製では情報伝達があって、
(単なる)自己触媒では情報伝達が無いということです。
(自己複製系は自己触媒的であるのは自明)

ここでいう情報とは分子構造を指します。

以上は私の自己複製、自己触媒、情報の定義です。

情報(=分子構造)の伝達と情報(=分子構造)の複製
は結果的に同じ現象(同じ分子構造が自己触媒的に増殖
する)を伴っても質的に異なると考えます。情報伝達に
おいては分子認識が絶対不可欠で分子認識がないものは
自己複製系とは考えない、というのが私の考えです。

(飯田さん)
> とすれば,分子認識とは横林さんがシクロデキストリンの例でいみじくもご指摘
> のように「程度問題」であり,曖昧な基準に思えます.

飯田さんは私の分子認識の定義が曖昧だとおっしゃりた
いのだと思いますが、

(横林)
> もいるかも知れません。結局この場合はナフタレン
> とベンゼンの構造的違いの情報は伝達できるが、ベ
> ンゼンとトルエンの構造的違いの情報は伝達できな
> いということで、分子認識のレベルの結果として情
> 報の質の違いが顕われてくると言えるのではないで
> しょうか?

以上のように、分子認識の程度はゼロから無限大?ま
で連続的な分布がありえるのでそれを曖昧だといわれ
たらそのとおりですが、最初の議論の対象である分子
レベルでの自己複製系を考えた場合、オゾンやプリオ
ンの例を含め、これで判断に苦しむケースはほとんど
見かけません。具体的な例があったら示していただき
たいです。

> 酸素ラジカルとオゾンの反応では,コピーに必要な触媒能と分子の立体
> 構造が不可分なのに対して,(自己増殖する可能性のある)蛋白質やリ
> ボザイムの場合,コピーに必要な触媒能とコピーされる分子の立体構造
> が,必ずしも一意に対応しません.間接的です.

飯田さんのおっしゃる間接度というのもいまいち理解
できません。ペプチドの自己複製系は単なるテンプレ
ート効果によるproximity effectなので立体構造と触
媒機能が不可分ですが、そうなるとオゾンと同類に分
類されるのでしょうか?

> この指標は自由度の数え方が違うと違う数字になりますが,酸素ラジカルの
> 場合といわゆる自己複製系との差が常に明示できると思います.

ということですが「自由度」も具体的に何をさしてい
るのかわかりません。

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Yohei Yokobayashi
yohei@***.***

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