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大戸さん
ohto@***.*** wrote:
>
> ここでいう自己保存とは、観測に引っかかるためにはある程度の時間的な
> 同一性が確保している必要があるということです。短い期間で変化してい
> くような構造体(もしく_(IM_ぢその集合体)の場合、観測者としては「遷移過程」
> とみなすでしょう。そういう意味で、地と図の関係として、システムの境
> 界が見えてきます。ただ単に、システムとして「地」から分離・認識して
> いるために、「自己保存」しているシステムが見えてくるというものです。
>
> つまり、自己保存しないシステムは、観測者からは認識できないがために
> 存在しないということです。量子力学的な観測問題にも近いものかも知れ
> ません。
1.検出されるということと,自己保存はちょっと違うと思います.
(検出されることの重要性は非常に良くわかります.この前,ご紹介
した物性研究の論文で,「検出可能性」ということを書きました.
部分系は,検出装置(生命の必要条件群を書き下したもの)によって
正しく検出される必要があると考え,検出装置の時定数をΘ,許容誤
差をεとするとき,観測している物理量の変化率は,大ざっぱにε/Θ
以下でなければならないという条件まで書いちゃいました(筆がすべっ
て).大戸さんが同じような意見をお持ちなので,びっくりしています.)
2.検出の時空間スケールと保存のスケールは違うと思います.
中略
> 私のイメージとしてはカオスダイナミクスがありました。有名なパイこね
> 変換でも、初期状態における特性が、引き伸ばされ、畳まれ_(ID_ぢいくうちに、
> その情報を失っていくものです。つまり、初期状態に重点を置くより、そ
> のダイナミクスの方がプリミティブではないか、と考えました。
これはとても面白い視点だと思います.
もっと議論してみたい話題です.:)
中略
> ここで、なぜ、還元論に対して良い顔をしないかというと、物質/科学な
> どのダイナミクスのみでは、生命現象を規定することは「非常に困難」で
> あるということです。そのシステム要素間の関係性がシステムの構成には
> 重要な要素であるという見方です。
関係が重要なのは誰しも認めることのできる事柄だと思います.でも,
そうした関係は,従来の記述の枠組みでは書けないとは思いません.
単に観測を陽に書けば良いのだと思っております.
それから,「関係」を認識する時,我々は既に何らかの要素にわけて
考えていないでしょうか?還元論は「だめ」ではなく,このやり方が
「いい」という方向を打ち出すことが大事だと思います.そのやり方
に従来のアイデアが含まれていても,いなくても良いと思います.
(「だめ」という議論には,今後あまりレスしませんがそれは
申し訳ないですが,不毛に思えるからです.合掌)
(続く)
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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