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大戸です。
At 11:30 97/09/17 +0900, Kazuhiro Iida wrote:
> > 2.システムの持つ、変化しようとする力は重要である
> 変化しようとする力というのは
> 具体的にはどんな例でしょう?
>
> すでにかなり進化した生命でいえば,例えば
> 突然変異を自分で起こすようなことでしょうか?
大腸菌において、栄養原を利用できないように遺伝子を操作した株を用意
したところ、大多数が死滅した中に、その栄養原を利用できるような個体
が発生したという報告があります。これは、通常の遺伝子の変異率からす
ると、非常に高いレートで行われたものであり、定向進化の例であるとの
噂も立ちました。
実際には、危機的状況になった際に、ミューテート遺伝子が活性化される
というような報告もあり、これが質問に対する答えなのかも知れません。
しかし、自分が考えているものは、このような現象ではなく、あるシステ
ム階層として切り出した場合においても、それを構成するシステム要素自
身の自律性により、容易に変化していくものであるということです。ここ
が、システムの自己崩壊過程の原動力であり、また、再構成のための原動
力でもあります。
最近の話題では、生態系の大絶滅が起こることにより、新しい生態系の構
築が可能となっているという仮説などが当てはまるでしょう。
つまり、真核生物を例に挙げると、DNA内に多くのトランスポゾンを有
しており、自己破壊的です。また、このような機能を別の次元として利用
しており、その2面性が生命システムとしては重要であるということです。
> 見方にもよりますが,配偶子形成で,接合でおこる
> 遺伝子の組み替えは,積極的に変化しようと
> していると解釈しますか?
これは「寄生」に対する生態的防御戦略との見方もなされており、この意
味において、「積極的に変化しようとしている」と考えることはできます。
#私はDNAなど、もう少し低レベルの現象に注目しています
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