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大戸さん
このスレッドでは,生命システムにとって物質の特性が
それほど重要でないのかどうかについて議論されるのだ
と理解します.
ohto@***.*** wrote:
>
> 大戸です。
> #テーマを明確化するためにスレッドを一つ分岐させました
>
> ここでは次の事柄について、コメントします。
>
> 1.システムは下位構造を積極的に利用する
> DNAは生命素としての位置より、システムに積極的に利用されたにす
> ぎない
>
> 2.システムの持つ変化に対する内部応力は重要である
> これを切り離して考えることはできない
>
> 3.システムの初期の立脚基盤を無視して変化しうる
> システムは生成時の立脚基盤から遊離した形に変化しうるため、現段階
> のシステムをただ追うだけではいけない。また、原型的なものにはそれ
> ほどの大きな価値を付加することは危険である
2.に関しては,もう少し詳しい説明が必要として,1.3.の
意見には,「大筋で賛成」です.(1.3.は,Cairns-Smithの遺伝的乗
っ取り仮説と同じラインに乗っていると思います.この仮説は,残念なが
ら実証例はないそうですが,非常に魅力的なアイデアです)
しかし,特定の物質の性状が重要だったか否かについては
立証が難しいので,さらに議論を深めるためには化学合成や物質面からの
研究者の意見が必要だと考えます.
つまり,
a.使える物質の種類は,最初それほど多くなかった可能性がある
からです.
多くの構造バラエティー,機能のバラエティーを生成するのに一次元の
ポリマーは,まことに都合が良い性状を備えています.そのような性質
を備えることのできる物質で,適当な反応性を持つ物質は,もしかする
とペプチドや,オリゴヌクレオチドだけだったかもしれません.
こうした場合,物質も重要と言わざるをえないと思います.
そのような事柄を議論するのには,
b.原始の化学的環境に関する情報が不可欠
だと思います.残念ながら,私は現状では十分な情報をもち
ません.合成の方は,より詳しい情報をお持ちだと予想します.
(上の議論はもちろん,コンピュータ内部の生命を議論しているのでは
ありません.)
(続く)
飯田
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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