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三田様 LIFEの皆様
おはようございます. :)
> > {Simoneit, B .R. T. (1992) Aqueous organic geochemistry at
> > high temparature/ high pressure, Origins of Life and
> > Evolution of Biosphere, 22:43-65.}
>
> > そこで,また素人が思うわけですが,もし,ポリペプチド
> > みたいのが,熱水噴出口付近に溜まったとしたら,それが
> > 変性して,炭化水素になることってありえないでしょうか?
>
> 熱によって官能基はいづれ脱離していきますから炭化水素になるでしょうが、ここで
> 期待している膜の生むような炭化水素にはなるようにおもえませんが。
>
> > 生物由来の有機物分解の場合,比較的低温の熱水噴出口では
> > PAHでなく長鎖の炭化水素ができるらしいですね.
>
> どのような現象をさしているのかわかりませんが、飯田さんがこだわっているような
> n−アルカンがほんとうにできていますか?
上の論文の記載でいうと,49頁の下段に,62℃ぐらいの低温の場合,
PAHでなく,saturated hydrocarbonができること,
もう少し低温から300℃程度までの場合,56頁と57頁に
phytolとかBiphytane(C40H82)とかの直鎖状の炭化水素ができるそうです.
(この論文は,広範なデータを参照していますが,低温領域でのデータ
よりは,250℃から300℃以上の場合の変性に関するデータが多いです.)
> 生物の定義については関わりたくありませんが、化学物質の組織化という点では、む
> しろ結晶、液晶といった形に求めた方が良いような気が漠然とですがしています。化
> 学反応の場としても単に膜で区切られた場より良さそうな気がします。原始生物とい
> えるかといえば違うような気がしますが、組織化とか反応場としてはスミスの粘土は
> 興味深い対象だと思っています。
Pyrite説の W"{a}chtersh"{a}userは,表面での反応が進んで膜の材料となる
isopranoidsができることを指摘しているそうです.
{W"{a}chtersh"{a}user,G. (1988), Before enzyme and templates: theory
of
surface metabolism, Microbiological Reviews 52:452-484.}
それが表面から分離して膜胞を作ったというシナリオです.
表面,結晶に有機物の起原を求める考えの方が,優勢になりつつありますね.
飯田@NEC
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"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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