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加藤様 LIFEの皆様
単に,理屈だけで考えますと次のようなことが言える
と思います.
> 加藤さん:
> > はい、細胞分裂にともない、細胞内のミトコンドリアたちも分配されるわけですが、
> > 細胞内でミトコンドリアが分裂(増殖)したり分解されたりするところに、ミトコン
> > ドリアの淘汰があるんだろうなあ、って思ったわけです。
>
飯田:> なるほど.ホスト細胞の分裂の周期と共生体の分裂
> (もしくは生成/消滅)の周期は,良い視点ですね!
>
> ホスト細胞の分裂周期をT,共生体のそれをtとすると
>
> T>t,T?t,t>Tの場合とか考えられますね.
>
飯田:
共生体の分裂周期(分解/吸収を含めた見かけのサイクル)
をtとしますと
ごく希にしかホストの細胞質に入り込めない場合で,
1)t>Tの時 → ホスト細胞内から消失
(指数で薄まりますね.)
2)T?tの時 → 安定に共存可能
3)T>tの時 → ホストがパンク!
(Tizzer菌感染などの場合,実際に起こります.)
ということは,ホストは共生体の見かけのtを
T?tに保つ必要がありますから,もし,ミトコンが
ホストに入った当時の分裂周期を t0 としますと,
T>t0 なら ホストは積極的に,ミトコンを食べる
(分解/吸収)する必要があります.
T< t0 なら,逆に,分裂を促す必要があります.
ここで,面白いことに気づきました.ミトコンのDNAも
小さい程,分裂にかかる時間が短いでしょうからホストへの
遺伝子移動で,tが小さくなりますね.
ということは,T < t0 なる関係だったものが
T?tへと移行する過程で,ミトコンの遺伝子の核移動
が起こったかもしれないと.
いかがでしょう?
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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