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生命の起源 #679 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
679
DATE
04/23/1998 02:37:45 PM
TITLE
[life:00679] Re: What is life?
AUTHOR
"Kazuhiro Iida
BODY


みそのう様,松浦様,千葉様,LIFEの皆様
ご指導ありがとうございます.
みそうのうさん:
縦軸はやはりポテンシャルエネルギーということになるのでしょう.
問題は,生命系においてそれを測定することができるのかどうかわからない
というところではないでしょうか.
さらに時間を考えると,ある時点のみでの測定っていうのは意味をもたないように思

えるし.
#時間を含まない指標ってありうるのでしょうか? <よくわかってない..

エネルギー地形におけるローカルミニマムモデルは,
生物屋にとってとても納得のいくイメージなのですが
さて,それで何が言えるのか..っていうのがどうもよくわかりません.
#複雑系の数学体系が必要なのでしょうか..でも,もし本質的に予測不能であるの

ならば
#そのような体系は意味を持つのでしょうか..

飯田:
縦軸は,いわゆるポテンシャルエネルギー(要素の位置で決まるエネルギー)
ではないでしょう.「組織された状態」を表そうとする時,確かに構成
要素の位置関係で決まる部分があるように思います.しかし,それ以外に
も,個々の構成要素の内部状態にも依存しています.
(男女が目と目で見つめ合う状態と,二人とも目を閉じた状態では,
位置関係が同じでも,異なる相互作用状態にありますね :)
先のメールで,縦軸がわからないと書いた理由は,組織された状態と
いう状態が単一の物理量というよりは,複合的な量に思えたからです.

山形のポテンシャル地形のイメージが提出された理由は,それが理解しやすい
という理由だけだと思います.
松浦さん:
系の構成要素を,単純な刺激-反応系だとた場合(生命系をそこまで単純化
できるかどうかはおいていおいて),各々の刺激に対する反応の敏感さを
定量化して評価するという方法もあります.
# これは実は,私が学生のときに論文を書いたネタです.

飯田:
Sensitivity Analysisの話しですか?

松浦さん:
こういう静的な均衡状態を考えるよりは,もっと動的なものを見るほうが
おもしろいですし,意味があることが多いです(私の趣味).もっとも,
これはその系が開放系であるとしての話です.
ところで,「生物学的な系」といった場合,それを開放系として考えるのは
マイナーなんでしょうか? あまりそういう人を知らないのですが,私が
知らないだけ?

飯田:
開放系というイメージはあるものの,開放系を定式化するのが難しい
というか,面倒なので,実験したり,シミュレーションしたりすると
きは,閉鎖系になってしまうということでしょう.

千葉さん:
開放系では外との相互作用を考慮しなければならないということで
しょうか ?
そうだと致しますと,任意の相互作用が考えられますね.
それこそ,予測が困難だと考えられますから,考えられ得る相互作
用として限定して扱うことになりますでしょうか ?
系間の相互作用も,限定されるという意味で同様ですね.
このように,開放系の相互作用を考えるのは難しいから,まずは非
開放系について考えるという立場が多くとられるのではないでしょ
うか.
飯田:
千葉さんと同じ考えです.開放系を書くときは,部分の視点(
SUbject: A worm's eye perspective参照)で系を書く必要に
迫られます.私は,閉じた全体系の中の部分系を記述すること
で,近似して,楽しようという立場です.

飯田@NEC


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"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.


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