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松浦@JTS研究部です.
On Wed, 22 Apr 1998 20:23:42 +0900
misonou@***.*** (MISONOU Taku) wrote:
> 縦軸はやはりポテンシャルエネルギーということになるのでしょう.
> 問題は,生命系においてそれを測定することができるのかどうかわからない
> というところではないでしょうか.
> さらに時間を考えると,ある時点のみでの測定っていうのは意味をもたないように思
> えるし.
> #時間を含まない指標ってありうるのでしょうか? <よくわかってない..
相互作用を計測するための尺度をどのようにするのかというお話ですね.
情報系の分野では,分散人工知能よりも後の時代の人がいろいろな観点から
計測を試みています.ただ,こういうことをしてる人はかなり少数派です.
系の構成要素を,単純な刺激-反応系だとた場合(生命系をそこまで単純化
できるかどうかはおいていおいて),各々の刺激に対する反応の敏感さを
定量化して評価するという方法もあります.
# これは実は,私が学生のときに論文を書いたネタです.
> エネルギー地形におけるローカルミニマムモデルは,
> 生物屋にとってとても納得のいくイメージなのですが
> さて,それで何が言えるのか..っていうのがどうもよくわかりません.
こういう静的な均衡状態を考えるよりは,もっと動的なものを見るほうが
おもしろいですし,意味があることが多いです(私の趣味).もっとも,
これはその系が開放系であるとしての話です.
ところで,「生物学的な系」といった場合,それを開放系として考えるのは
マイナーなんでしょうか? あまりそういう人を知らないのですが,私が
知らないだけ?
> #複雑系の数学体系が必要なのでしょうか..でも,もし本質的に予測不能であるの
> ならば
> #そのような体系は意味を持つのでしょうか..
本質的に予測不能とおっしゃるものには,たぶん,カオスは含まれないの
ですよね.では,決定論的に予測不能という解釈で,マルコフ過程は
どうですか? もし,確率的にも予測が不能という状況をおっしゃっている
のだとしたら,それは意味がないかもしれません.
ただ,確率的に予測不能と言っても,ある観測者にとって予測不能なだけで,
別の観測者から見ればちゃんと確率的に予測ができることがよくあります.
非マルコフなものをどう扱うかというのは,昔からいろんな人が取り組んできた
大きなテーマです.その中で主流なのは,非マルコフなものをなんとかして
マルコフに転化して扱うという考え方のようです.
> アフォーダンスは,なかなか手強い考えかたです.
> 視点は確かに新鮮で,おもしろいのですが,
> へたをすると,全てを説明できる..つまり何も説明できない っていうような気も
> します.
> #ちゃんと理解できてないということかな..
環境が情報を発している(アフォードしている)という,けっこう斬新な認識論
ですね.最近は工学的にどう解釈・応用を進めるかという研究も行われている
ようです.
御園生さんお勧めの文献は,いわばアフォーダンスの定番ですが,最近は
論文もあるはずなので,検索して探してみるのもいいと思います.
□■ 松浦 賢一 (株) ジャパンテクニカルソフトウェア 研究部
■□ matsuura@***.*** Research Department, JTS Co., Ltd.
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