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生命の起源 #669 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
669
DATE
04/20/1998 01:30:42 PM
TITLE
[life:00669] Re: [LIFE - No.00665] Re: Endsymbionts hypothesis
AUTHOR
mmaeda@***.*** (Miki MAEDA)
BODY


前田@生物研です。

>うーむ,私が間違って理解しているのでしょうか?

いや、私が間違って思い込んでいるのかも知れないです。

>キラーT細胞,というかT細胞の外来異物認識は,抗体のそれと同じじゃない
>のですか?
>
>そういう仕組みで,ガン細胞なんかを破壊するというのを何かで見たのですが.

この辺についてはだんだん怪しくなってきたので、もう1度調べ直します。少々
お待ちくださりませ。

それから今、生化学辞典を調べていて見つけたので、免疫幹細胞についての記述
を引用します。ご参考まで。

免疫幹細胞 [lymphoid stem cell]
造血幹細胞(plulipotent stem cell)から発生し、すでにリンパ系統に分化する
方向性の決定された細胞。T細胞、B細胞、単球を特徴づける細胞内外の性状を
まだ有していない。数段階の分化を経て、T細胞になる前胸腺細胞(表面にアシア
ロGM1ガングリオシドをもつ)、B細胞に分化する前B細胞(細胞内に免疫グロブ
リンμ鎖をもつ)、単球に分化する前単球になる。これらの分化は骨髄内で起こる
が、その分化機構は十分に解析されていない。

>こういうロジックだとすると,母細胞を作る機構は,あらゆる抗原のそれぞれに
>対して,有効な母細胞をあらかじめ知っているということになるのでは
>ありませんか?

有効であるというよりもランダムにいろいろなものを作っておいて、その中で有
効なものを使うということなのかなと、私は解釈しています。

>つまり,免疫系は,現在においては存在しないけども,将来においては発見
>されるかもしれない抗原に対抗する処方箋も持っているということになるんじゃ
>ないかと思うのですが.

確かそうだったと思います。私の理解では、抗体は予めいろいろなものができて
いて、それらが胸腺で自分の持っている抗原に対する抗体を作る細胞が排除され
ることによって自己免疫を防いでいたのだと思います。この仕組みがうまく働か
ないときに自己免疫疾患が生じるのだと。

例えばエイズなんて10年前には日本には全くなかったわけですね。でも、今は
エイズに感染している患者がいて、その感染の有無を判定するにはエイズウイル
スに対する抗体ができているかどうかを判別しているわけです。となると、実際
の体の中ではかつて存在していなかった抗原にたいする抗体が生産されるように
なったと言えるのではないでしょうか。

#この辺の機構については、まとめてもう1度ちゃんと調べてからまとめたスレ
#ッドをお送りしたいと思います。ということでついでに何か他にも疑問なこと
#があればお書きください。できるだけ調べてみるつもりです。

>これはちょっとおかしいですよね.だから私は,何らかのフィードバックが
>かかっているのではないかと考えているわけです.

私も最初は確かに何でだろと思ったような気もします。でもそういう仕組みがな
ければ新種の病原体に対応できないということになりますから、生物の方から考
えれば非常に有効な仕組みではあると思います。


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MAEDA Miki
o(>_<)o mmaeda@***.***

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