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LIFEの皆様
細胞内共生体の遺伝子がホストの核遺伝子に移動する機構
について,可能性を追ってみますと,
トランスポゾンの他にもレトロウイルス(有名な例はHIV)
が考えられますね.
レトロウイルスは,
1.自分がコードしている逆転写酵素RNA-directed DNA polymerase
でホストのtRNAを使って相補的DNAを合成し2本鎖となる.
2.同じく保持するRNAase−HでRNA鎖を分解して一本鎖DNA
を得る.
3.その一本鎖DNAが(ホストの)DNAポリメラーゼの作用で2本鎖
DNAとなった後,ホストの遺伝子に組み込まれる.
という機序で,ホストの核に自分の遺伝子を送り込み,ホストの
分裂に伴って自分の遺伝子も「ちゃっかり」コピーしてもらうことをします.
(ある時,そのDNAからHIVのRNAが再び合成されるようになり
合成されたRNAが衣をまとって飛び出してくるというストーリーです.)
問題は,トランスポゾンの時と同じく
1.共生体の遺伝子がどうやってレトロウイルスの遺伝子の中に
挿入されるか.
レトロの場合,どんな機構が知られているでしょうか??
(2.共生体からホストの核へどうやって運ばれるか?..これについては
共生体の融解によっても可能と思われます.共生体が壊れないとすると,荒
さんご指摘のように,膜の通過という問題が残ります.)
です.
飯田@NEC
--
"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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