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前田様 LIFEの皆様
>飯田:
>トランスポゾンは,特定の配列を認識して入り込みますよね.
>とすると,ホストの核内遺伝子と共生体のゲノムが,共に
>その認識配列を持っていなければ,行ったり来たりできない
>わけですよね.配列上で,そういう事実って知られているん
>でしょうか?
前田さん:
う?んと、私もあんまり詳しくない(たまたま同じ研究所にトランスポゾンやって
いる人がいるのでごくごくたまに話を聞くだけ)んですが、トランスポゾンって制
限酵素の認識配列っていうほどの大げさな長い配列を認識しているのではないよう
に思いますが・・・。
飯田:
なるほど,制限酵素が認識する程度の短い配列なら,沢山あり得ますね!
人間の遺伝子に見られるAlu配列も,もとはトランスポゾンが固定された
ものと言われているそうですが,遺伝地図のほぼ全域に渡ってランダム
っぽく存在しているそうですね.認識配列が短ければそういうことが起
こるでしょう.
前田さんに習って,勉強のつもりで計算してみます.4文字だったと
すると,特定の配列である確率は,ほぼ (1/4)^4 = 1 / 256.
ランダムな4文字の列が256個与えられれば,一つは当たる.
配列の向きを考えても,その2倍で512個の4文字列に一つは当たる
という計算でしょうか.
遺伝子の配列はランダムではないでしょうが,
Voetの生化学によれば,ほ乳類のミトコンドリアのDNAは,
15kb?15000 文字の円形をしているそうです.
ここから,4文字切り出すとすると,切り出し方で4通り,4文字列の
個数が15000 / 4 個で,15000個の4文字列があり得ます.大ざっぱ
にいって15000/512 => 29箇所程度は,トランスポゾンが入れる計算
ですね.(これでいいのかな?)
ホストの核の遺伝子は,もっと長いですから挿入可能箇所は,これより
さらに多いでしょう.
これなら,定期便?は別として,行ったり来たりはできそうです.
飯田@NEC
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"Life and Evolution '98"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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