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生命の起源 #649 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
649
DATE
04/10/1998 02:10:53 AM
TITLE
[life:000649] Re: Endsymbionts hypothesis
AUTHOR
"M.MAEDA" <mmaeda@***.***>
BODY


前田@生物研です。

みなさんいろいろなことをご存じなのでいつも脱帽してます。(- -) 私
にもコメントできそうなことが出てきたので、実験の合間にちょっとだけ。

松浦さん:
>> 松浦さんがおっしゃるように,外来性の遺伝子が細胞内に入った場合ですと,
>> 多くは即座に分解あるいは不活化されます.しかし一部,ホスト細胞の核内遺
>> 伝子に入り込むことがあり,その現象が,遺伝子治療に使われています.(こ
>> れに似たことが,細胞内共生でも起こったかもしれません)しかし,この場合
>> でも遺伝子は,その遺伝子に対する免疫を獲得させるものではなく,能動免疫,
>> あるいは上の意味での獲得免疫では細胞膜を介した遺伝子の動きはありません.
>
>直接的には,進入してきた遺伝子に対する免疫を獲得できないのかも
>しれませんが,間接的にはどうでしょう?

間接的とは? 具体的にはどういうことを指すのでしょうか?

松浦さん:
>それと,ウィルスが様々な経路で感染を繰り返しながら,感染した細胞の
>遺伝子を媒介しているという話も聞いたことがあります.

植物なんかではよくトランスポゾンが遺伝子を媒介しているというのがあります
ね。これはある条件で細胞外へ飛び出して、しかも他の植物細胞に感染する核酸
分子です。これが最初に見つかったのがトウモロコシの遺伝学的な研究からで、
動物や微生物ではまだ聞いたことがありません。
#知らないだけかもしれません。ごめんなさい。

メンデル遺伝しないある形質があってこれを説明するために移動する遺伝子を仮
定したというのがマクリントック女史の業績だったと記憶しています。植物のバ
イオテクノロジーでは確かにこれを使ってトランスポゾンタギングとかやります
し、感染力(?)の強い核酸分子が一部にはあるということは事実なのだと思い
ます。

>生体を構成する細胞に
>おいては,ほとんど遺伝子の変化は起きないのかもしれませんが,外来の
>異物と頻繁に接触する免疫細胞においては,遺伝子の変化がおきてもおかしく
>ないと思うのですが.

免疫細胞が外来の異物と頻繁に接触しているわけではないと思いますよ。抗体を
産生している細胞はたぶんひ臓だかどこかにあるのだと思いますし(うろおぼえ)、
それなら普通の体細胞と条件は同じだと思います。
免疫というとなんか生体の最前線にいるって感じを受けますけど、外来の異物と
最も頻繁に接触しているのは、現実的には上皮細胞とか消化器官や呼吸器官の細
胞ではないでしょうか?

飯田さん:
>細菌の世界では,薬剤耐性プラスミドなどが種を越えてやりとりされるようですが
>もっと多様な遺伝子を持ち込んだり,核から切り出しする,遺伝子工学のベクター
>みたいなものが,共生体ができた頃,既に存在していて,共生体とホストの核の間
>を行ったり来たりしてたのかもしれません.

トランスポゾンのようなものが昔々にあったということが証明されれば面白いか
も知れませんね。

飯田さん:
>そういう定期便みたいなベクターってありますか?
>(遺伝子工学に強い方,ご指導下さい.)

トランスポゾンは定期便ではないですが・・・。(^^;)

飯田さん:
>遺伝子工学には強くないですが,いきなり遺伝子工学を勉強した方が
>遺伝子のホスト核への移動が理解できたりするかも..などと考えております.

ん・・・でもそんなにいろいろわかっているわけではないですよ。多分。遺伝子
工学というのはそういうのを使ってどういうふうに変えるかっていうののほうに
主眼が行ってますし。


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MAEDA Miki
o(>_<)o mmaeda@***.***



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