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荒@京大農です。
このスレッドは考え事が多くレスが遅くなってしまいますが、とても楽しんでいます。
(少し前後がまざっています)
>( 生命の起原を合成的に研究する場合、
> 1.生命が満たすべき必要条件に関する議論,
> 2.その生成機構、原理、ダイナミクスに関する議論,
> がある。)
こういう風にわけていくことは特によいと思います。
>位相的な単位体というのは,私の中でまだ曖昧もことしたものです.
これはもう少し説明があるとうれしいと思っている人は多いのではないで
しょうか?とくに現実に手で触れる物しか扱っていないととても難しいで
すね。自分もある程度イメージをもてているかなという感じでしょうか。
炭素/物質系から離れようという意思は感じられました。
>A-life については別メールにあります。GA は遺伝的アルゴリズムであり、
>メンデルの法則を用いた、組み合わせ最適化問題を解くための一手法です。
この説明はとてもわかりやすかったです。
> Minsky の「心の社会」は一読に値するものと思っていますし、Brooks の包
> 含アーキテクチャとのつながりにも興味を持っています。同様に、Freud や
> Jung の深層心理に関する理論と合わせて、ネットワーク的な構造に何がし
かの共通点を感じています。NN(Neural Net) の各ノードが高機能、かつ非等
> 質になったような感覚です。
....
> というわけで、意識や思考には最小単位として切り出せるものでは
> ないように感じています。
この意見はじっくり考えたいと思います。そもそもMinsky 「心の社会」も
Brooks の包含アーキテクチャも読んだことはないのですが...。NN(Neural
Net) も教科書的には知っているのですが実際扱ってないので、感触を得た
方の意見として参考になります。最小単位があるとして仮想的システムを考
えるように、最小単位がないとした仮想的システムについて考えてみます。
> しかし、strong-AL の立場からすると、「生きている状態」を抜き出し、再
strong-ALは(あまり勉強していないのですが)なかなか概念的に難しいですね。
> 多細胞生物などの場合、リソースの問題から、「寿命」という戦略を獲得した
> と考えられます。単細胞生物の中には栄養条件を整えれば、ずっと代謝している
> ものがあると聞いたことがあります(未正確です _._)。
確か藻類で単細胞が群生しているようなものであったかもしれません。
部分的な系(または生命?)が外界からリソースを取り込んでおり、
かつ寿命が存在しているとき、リソースを均質に並べた仮想空間で
は、その系(または生命?)の存在期間における最大到達範囲(領
域?)というものがを考えられますね。これは系の内側を起点に考
えているわけですが。その形態というものはなにか面白そうです。
> 同様に、コンピュータにもリソースの問題があります。リソースを保持し
> たまま、放さないプロセス(スレッド/エージェント/A-life)があると、
> これだけでシステムは行き詰まります。このようなことから、自己組織過
> 程と自己崩壊過程が重要と認識している人たちもいます。
自己崩壊過程はより上位の階層から見ると代謝(構成要素の変換ネットワーク)
のなかに含まれてしまいますね。
ただ日常的な視野に帰って、機械が止まったからリスタートして、また同じ
プログラムをちょこっと変えて動かしているとき、メモリ上の記録としての
プログラム存在にとっては「気絶」しただけかもしれません、と考えること
もできますね。
「同一性」については少しあとに回した方がよいでしょうか。
> なんとも言えません。私は言葉が意識の構成素とは思っていませんので。
> まあ、言葉というのがどのレベルのものかが問題ですけれど(小鳥のさえ
> ずりは言葉なのだろうか?)。
意識というのは捕らえがたいのですが、そういう仮定の思考実験もしています。
ただし他者との感情的な交換は難しいのでかなりはぶいています。
> も物質基盤はありません。子どもの遊びなどでは、その時々に応じてルールが
> ダイナミックに変化していきます。「遊び」としてはみんなが同意できるもの
> でも、それを細かく還元していくことには自ずと無理が生じて来るでしょう。
この例はなかなか考えれるところがあってよい例のような気がします。
>あることは事実です。物質そのものでなく情報の関係という見方をする
>場合でも、そのような関係が特定の物質にこだわらないにしろ、実際、
>実世界で観察できるのかを考えることは生命とは何かを考える時、避けて
>通れないと思います。
ちょっともじりですが
情報の関係という見方をする場合でも、そのような関係が特定の情報にこ
だわらないにしろ、実際、情報世界で観察できるのかを考えることは情報
生命とは何かを考える時、避けて通れないと思います。
とできるわけですね。(情報というのは電子的データ、というイメージで
使っています)データベース的な仕事をしているとふとこう考えるときが
あります。AIと方向的に繋がっていくのでしょうが、それはまたにしましょ
うか。
それでは。
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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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