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玉木様 LIFEの皆様
ご指導ありがとうございます.
> 飯田:
> > Q1.どのような機構で,共生細菌の遺伝子が核に移動するんでしょうか?
>
> 玉木さん:
> 私の知る限りでは明らかになっていません。逆に言うなら、共生説の完全な証明は
> 共生細菌の遺伝子が、いかにして宿主細胞のゲノムに取り込まれるのかという機構
> の解明にほかなりません。考えられることとしては、ご存知のとおり、原核細胞の
> ゲノムは裸で細胞質内に存在しています。ですから、ウイルスやその他のベクター
> として働くものによって、宿主のゲノムに共生細菌のゲノムが組み込まれることが
> あるかもしれません。
裸,というので思いだしました. :)裸の遺伝子が細胞質に入ると,核遺伝子の複製
の際に誤って(?)核遺伝子に組み込まれることがあり,それが
遺伝子治療に使われているということを聞いたことがあります.
さらに先ほど,国立感染症研究所にいる知人から聞いたのですが,Listeria
monocytogeneis などの細菌は,例えば,マクロファージに食べられても食胞
を破って,細胞質に進入して,しばらく生きているそうです.この細菌の場合
細胞質で徐々に分解されますが,その時,裸の遺伝子がマクロファージの
細胞質に遊出して,そこで発現することがあるそうです.
さらに,それを使った治療の研究が次々発表されているそうです.
(最近の遺伝子治療は,進化の歴史を一瞬で実現しているようです.)
それでもわからないのは,玉木さんがおっしゃるように,
核に移行した遺伝子と,ミトコンドリアに残った遺伝子があることです.
> 玉木さん:また、遺伝子の修復機構も現在の細胞に比べれば原始的(未
> 完成)であったでしょうから、組み込まれた遺伝子が排除されることがなかったの
> かもしれませんし、さらにいうなら、そのような修復機能の誤作動によってなされ
> たのかもしれません。いずれにしても、組み込まれた遺伝子が正常に発現し、しか
> も再び共生細菌のパーツとして正常に機能することは、とんでもないことでしょう
> 。しかも、共生細菌のすべての遺伝情報が宿主のゲノムに組み込まれているわけで
> はないのですから。まともな答えになっていませんが、とりあえず。私も詳しい情
> 報があれば知りたいです。
>
昔は遺伝子は,みんなトランスポゾンみたいな性質があったんでしょうか...
んー.一部だけ残っていることも,自然選択に帰着するんでしょうか...
ご指導の程お願いします.
飯田@NEC,尊敬する人バーバラ・マクリントック
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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