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高橋 様 LIFEの皆様
昨日お知らせした in vitro Hypercycleの論文の著者のLeeさん
は,前年,蛋白質だけによる蛋白質の複製の仕事をしてた人で
論文読んでいましたが,本気でハイパーサイクルをつくるとは
思ってませんでした.:)
{Lee, D.H. et al. (1996) A self-replicating peptide,
Nature 382:525-528}
自己複製ではありますが,アミノ酸を一つづつ並べていって,
もとと同じアミノ酸配列の蛋白質を作るのではありません.
のでご注意下さい.
元の蛋白質を二つに切って,末端に結合しやすいような処理
(チオエステル化)を施した部分鎖を使います.この部分鎖が
元の蛋白質の配列の上で順序に並んで結合することで,完全な
配列の蛋白質が複製されるというものです.
元の完全な配列の蛋白質(イーストの転写因子GCN4から得られた
もの)は,α-Helix構造という筒状の構造をとっており,その
一方に疎水性の特定のアミノ酸残基が並んでいます.この残基の
並びが,相異なる部分鎖を認識して,吸着し順序に並べることで
,先に処理しておいた部分鎖の末端同士が結合し,完全な蛋白質
の配列が複製されると考えられています.
飯田@NEC
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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