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高橋です。
| さてどう扱うかですが、非平衡統計熱力学の方面からはどのように
| 扱うものですか?
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| 飯田:
| 上の意味での問題は,流体の考え方で解けば良いでしょう.
| 流束に関する方程式(熱力学則に逆らわないような)を書くことに
| なります.
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| 上以外の意味での問題としては,酵素の全量が変化する場合,
| 定常状態に達する以前の段階などが挙げられていました.
細胞内ではどちらもあてはまりますね。
| こうした場合,M.M.の仮定を破棄して,単純に反応速度方程式を
| シミュレートすればOKです.(ちょっと面倒かもしれませんが.)
これは僕がE-Cellの設計を始めた当初に考えていまして、この方法を
かなり強く推していたんです。
しかし当時はとにかく細胞を形にして動かすことが最優先だったので、
現実的な問題として、酵素の反応速度係数がほとんどわかっておらず
多数のパラメータに適切な数値を与えられる見込みがないということが
判明した時点で放棄してM.M.式を使ったアプローチに絞ったんです。
ただ、Gibbs energyやΔGから平衡定数を導く
具体的な方法論の論文がEco CycのP Karp等が発表したりしているので、
これを(かなりがんばって)発展させれば道はあるかもしれません。
# 化学物質の化学式や構造から速度自体を導く方法があれば
# 理想的なんですが、なにか方法はあるでしょうか?
| 高橋さん:
| 実はこのWesterhoffという人にはお会いしたことがありまして、
| E-Cellにもコメントをいただいています。
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| 飯田:
| どんなコメントでしたか? :)
ポスターの前で立ち話をしただけなのですが、要約すると
細胞は系のstiffnessがものすごいので工夫が必要だという
指摘をいただきました。細胞モデル自体を主張しているんではなくて
シミュレーションのためのフレームワークを提供しようとしている
んだと説明したら興味を持っていただけたようでした。
慶應義塾大学s 環境情報学部 (Bioinformatics Lab.) ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
高橋 恒一
_____Kouichi Takahashi t94249kt@***.*** _______
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