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松浦様 LIFEの皆様
松浦さん:
そうなると,環境が変化する速度と,進化によって個体(種)が構造を変える速度
というのが問題になりますね.個体の速度があまりにも遅く,環境適応性が
著しく低下すると,その個体(種)は生存不能(絶滅)となる,という解釈が
できると思います.
飯田:
この考え方は,かなり基本的な説明だと思います.言い換えれば,進化が有りうる
のは,環境が進化のメカニズムの時定数に対して”ゆっくり”としか変化しないか
ら,ということでしょうか.付け加えるとしたら,環境(すくなくとも生命圏では)
は生物と独立に変化するのでなく,生物の変化に伴って環境も変化することでしょう.
小惑星の衝突にも関わらず,生物は進化をつづけているではないか?とか言われ
そうです.でも集団としての生物の進化メカニズムの時定数は,インパクトが
もたらした気候変動のそれにもまして小さいんじゃないでしょうか.うまく言えな
いですが,集団では,絶え間なくバラエティーが生じているわけで(今この瞬間に
も世界中のどこかで赤ちゃんが生まれ続けているでしょう)...性成熟にかかる
時間も人間みたいに長い生き物だけではないし..などとイメージしております.
松浦さん:
ものを作ることができると思います.もしも変動がカオス的なら,
ほとんどお手上げ状態ですが.
飯田:
上と同じ論拠で,変動がカオス的でも,適応の方が十分早ければ可能では?
飯田@NEC
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305-8501 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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