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生命の起源 #509 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
509
DATE
01/13/1998 05:50:22 AM
TITLE
[life:000509] Re: E-Cell
AUTHOR
"Kazuhiro Iida 飯田一浩 NEC基礎研究所" <iida@***.***>
BODY


高橋 様 LIFEの皆様

(つづき)

飯田: > この仮定が明らかに妥当でない反応,例えば,
> ATPが関与するような反応,膜を介した反応などが細胞
> 内には存在します.

高橋さん:
勉強不足ではずかしいのですが、
具体的にどのような反応プロセスで妥当性が削がれるのか
具体例などいただけるでしょうか?
対策を考えてゆく際の参考にいたしますので。

ATPは,ご存じのように高エネルギー燐酸結合を持っています.
ATPがADPに分解されると,その分のエネルギーが散逸してしまい
通常の熱揺らぎでは,逆反応が生じません.
それを再度つなぐためにはATP合成用の装置(ミトコンドリアの
電子伝達系など),もしくは,それと同等のエネルギーを発生できる
燐酸化された因子が必要です.
ATP→ADP+Piではありませんが,
この経緯を化学反応式上で理解する例として,
良く参考書に乗っている例は
A + B + ATP -> A-B + AMP + PPi, PPi + H2O -> 2 Pi
みたいなものです.ここでは,ATPのエネルギーが
A B という因子の結合に使われています.
この例では,ピロ燐酸 PPi が,すぐに加水分解されて
しまい,反応は不可逆になると説明されますが,
基本は,エネルギーの散逸によると理解しております.

(つづく)


飯田@NEC,雪だるまを作りました.
--
"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.




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