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生命の起源 #502 : LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life study
LIFE Mailinglist Archive for the Origins of Life Study

ID
502
DATE
01/13/1998 09:01:40 AM
TITLE
[life:000502] Re: E-Cell
AUTHOR
"KOUICHI Takahashi-S" <t94249kt@***.***>
BODY


高橋です。

不覚にも風邪で死んでおりました。
そのおかげでなにやらLIFEのほうがおもしろそうな話で
盛り上がっているのにまたもや完全に乗り遅れてしまいました。

で、しばらく前の記事になりますが:


> Genome Infrmatics の E-Cellの論文を読ませていただいて
> 凄いと思ったのと同時に,ちょっと疑問に感じたのは,
> 全ての反応がミハエリスメンテン式に則って計算されている
> ことでした.同式は,平衡状態
> (順方向反応の速度と逆反応の速度が同じ.)を仮定して
> います.

全てではありませんが、酵素反応に関してはそのとおりでして、
現在のところは反応機構が標準的なものはBotts-Moralesに僕が手を加えた
汎用の式を、機構が複雑なものはKing-Altman法をベースに式を計算機に
立てさせることを考えていますが、これらは皆80年前のMichaelis-Mentenの
理論に基いています。
# 酵素反応以外に関しては単純なMass ActionからDynamic Programming,
# 確率過程まで様々です
つまり、酵素=基質複合体から酵素と生成物へ至る反応が
複合体形成反応に比して十分に遅く律速であるということを仮定しています。
御指摘の通り迅速平衡の仮定もあります。
E-Cellでは現在採用している標準的な積分間隔の10^-3sに関して
これらは妥当な仮定であるというのがたてまえというか仮説です。
# 主な酵素のKcat(catalytic constant)の値からの推論です


> この仮定が明らかに妥当でない反応,例えば,
> ATPが関与するような反応,膜を介した反応などが細胞
> 内には存在します.

勉強不足ではずかしいのですが、
具体的にどのような反応プロセスで妥当性が削がれるのか
具体例などいただけるでしょうか?
対策を考えてゆく際の参考にいたしますので。


> そこで非平衡状態にある反応系を扱う方法として非平衡
> 熱力学あるいは,非平衡統計熱力学を考慮する価値がでてくる
> と思うわけです.

この御指摘は以前より何度かいただいておりますが、非常に興味があります。
僕としても当然この方向を模索中ですが、未だよい計算モデルが思い浮かび
ません。
具体的にどのような計算モデルをお考えか御教示頂けませんでしょうか??



慶應義塾大学s 環境情報学部 (Bioinformatics Lab.) ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
高橋 恒一
_____Kouichi Takahashi t94249kt@***.*** _______


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