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荒＠京大農です。
>小野さん： 熱水鉱床に限らない、一般的な非生物的脂質合成にはどの
> ようなものが 知られているのですか？良く知らないのでご存じの方が
> おられましたら教えて下さい。
>
>飯田：
>私も情報を持ちません．特に有機化学系の方にお尋ねしたいです．
>たぶん，一般常識的には，いきなり合成するのは無理だろうという
>気がします．脂質は，グリセリンと，長鎖脂肪酸のエステルですが，
>材料である長鎖脂肪酸を合成するのは，たしかエチレンなどの低分子
>不飽和炭化水素の重合反応が必要で大変だったと記憶しています．
>ですが，自然界では想像を越えたことも起こるかもしれない，星間物質
>の中には，シアノペンタアセチレン（$ HC_{11}N $）みたいな，そこそこ
>長い炭素鎖を持った物質も検出されているようですし，あるいは
>長鎖脂肪酸も？と僅かに期待しております．
生物の脂質合成ではC-Cの伸長反応にはS(イオウ)が（実際は-SH）関与
しています。その場合の基質も酵素の活性中心も-SHを持っています。
ところで放電実験とか宇宙観測結果でアミノ酸はあるようですが、C-S
化合物は他にもいろいろと観測されるのでしょうか？
それと溶液系なら短鎖のペプチドとかはできるのでしょうか？-SHは反
応性に富むし、S-Sをもった分子ができれば酸化還元のサイクルもでき
るし（システインでは反応性がかなり低いが、3ペプチドのグルタチオン
までいけば酸化還元サイクルもできてくる可能性がありそうですね）。
>あるいは，脂肪酸に極めて類似した両親媒性分子は合成されて
>いないでしょうか？
これはあってもよさそうですね。
三宅さん：
>交配によって必ずその最適性を失う（そのかわり、その最適性はまわりまわっ
>て世代全体として保存されているのかも知れませんが）ことは避けられないわ
この考えはとても面白いと思います。
まえださん：
>地球上で炭素系の生命が進化したように、別の惑星ではケイ素系の生命がある
>かも知れないというような話が「コスモス」で出ていたように思います。
>＃出典の記憶はあやふやです。
たぶんいいと思います。でも本当の出典はもっと古いと思います。あやふやですが、
1980年以前にSFではすでに使われていました。それ以前にそういう文献があるの
でしょう。
それでは。
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荒 武 (Takeshi Ara)
京都大学 農学研究科 農芸化学専攻 植物栄養学研究室
Tel : 075-753-6108 FAX: 075-753-6128
e-Mail : ara@***.***
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