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三宅 様 LIFEの皆様
> 3.非平衡状態
三宅さん: ド素人の質問とお叱りをうけるかもしれませんが:
物質の濃度差や温度差が大きいという不安定な環境で、逆に(こういう言い方
が適切なのか不安ですが)高分子のように Ruggedness の高い Free Energy
Surface のローカルミニマムでしか存在出来ない物質は安定的に存在できるの
でしょうか?
大きな温度差や,濃度差は非平衡な反応状態を作ります.
平衡状態では,合成反応と分解反応のスピードが釣り合いますので,収率
が低くなります.これは,有機物の自然合成を模擬する場合に大きな問題
だと聞いております.
合成物が,持続的に反応の場から(拡散によって)除かれるような条件では
反応は合成に傾きます.
さらに拡散した先の温度が分解反応が生じにくい条件,
(例えば,蛋白質のペプチド結合を切るには,1400 cal/molのエネルギー
供給を必要としますが,そのようなエネルギー供給が得られないような
低温条件)だった場合,合成産物が安定に存在しうるわけです.
追伸.先ほどご紹介した脂質の凝集に関する本
の著者の名前に J. (Jacob)が抜けていました.
Israelachvili, J. が正しいです.
飯田@NEC
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"Life and Evolution '97"
Kazuhiro Iida,
Fundamental Research Laboratories, NEC Corporation,
34 Miyuki-ga-Oka, Tsukuba, Ibaraki, 305 Japan.
TEL +81(298)50-1142, FAX +81(298)56-6136.
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